自分と同じく型にハマりたくなかった

――さて、最新出演映画『武曲 MUKOKU』で演じた、剣の才能を秘めたラップ好きな高校生・融(とおる)というキャラについて。そして、役作りについてはいかがでしたか?

 ラップというか、シャウトに近いんですけれど(笑)、彼もどこか型にハマりたくなかったんだと思います。そういう気持ちで音楽をやってきた人間が、剣道という型の中にハマっていって、そこで新たなものを見出していく。そこが面白いキャラだと思いました。役作りをしたというより、「これが融です」というのを表現した気がします。

――ちなみに、これだけパワフルな作品を生み出す現場の雰囲気はどうだったんでしょうか? 設定上、相対する綾野剛さんとの距離感みたいなものも含めて教えてください。

 スタッフさんは寝られないほど過酷な現場だったと思うんですが、みなさん楽しそうでした。楽しそうだといっても、別に和気藹々というのではなく、みなさんの目が輝いているんです。だから、僕らも目を輝かせて演じることができました。綾野さんとは、ある程度のコミュニケーションしかしていません。

2017.06.16(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘