あなたは何をしにハワイに行きますか?

 ショッピング、ヒーリング、リフレッシュ、グルメ、デトックス……その目的は、オアフ島を訪れる人のスーツケースの数より多いかもしれない。

 「ハワイについて知らないことなんてない」というリピーターも、訪れるたびに新たな発見があるからまた訪れる。いちどその島に足を踏み入れた人は、どうやら必ずといっていいほどそのやみつきの“魔法”にかかってしまうようだ。

 ハワイが日本人から愛され続ける理由のひとつは「安心感」。

 ホノルル国際空港で飛行機を降りた瞬間に感じる、あの特有の“香り”に安心する人もいると聞くが、親日の人なつっこいローカルたち、行き交う多くの日本人、言語コミュニケーションによるストレスの少なさ、多様な食文化、それらに加えて優しい気候と海を中心とした圧倒的なロケーションは最大の安心要因だろう。

 日本でのあわただしい日常を忘れて、気のおけない人とともにゆったりとしたハワイ時間に身をゆだねることができる。ハワイ、とりわけオアフを数日間過ごす日本人には不安というものがほとんど存在しないのだ。

 その他にもハワイがわれわれを惹きつける理由があるとすれば、「進化」だ。

 この約10年のハワイの楽しみ方を劇的に変えたのは、SNSによる情報の取捨スタイルなのはいうまでもないが、その結果、あらゆるガイドメディアが競うように“知られざる”グルメスポットやパワースポットを紹介するようになった。オアフのヘビーリピーターでもアップデートが追いつかないほどだ。

 インフラも少しずつ進化を遂げている。2018年にはカポレイからアロハスタジアムまでのモノレール(実際のレールは2本)がついに開通する。自転車ごと乗り込める車両が、米国内で唯一の無人運転方式でホノルル国際空港からアラモアナへとわれわれを運んでくれる日がすぐそこまで来ている。

 ホテルからの乗り合いのトロリーやリムジンを使ってアウトレットやビーチへと出かけていた時代はもはや一世代前のものになりつつあるのかも知れない。

 旅好きな人間は順応性が高い反面、わがままである。もっというと、ハワイが好きな旅好きの連中は、世界一わがままかもしれない。なぜなら、「安心」しながら「進化」を追いかけ、いわゆる「スゴい旅」をいつも求めているからである。

2017.05.11(木)