●由比ガ浜「リュミエール・ドゥ・ベー」
地元のレストランも称賛!
玄麦から製粉した風味豊かなパン
CREA WEBの鎌倉特集で紹介した、「オルトレヴィーノ」「ビーノ」ほか、人気のレストランで使われているのが、こちらのパン。自家製の天然酵母100%、玄麦から毎日製粉して作られる風味豊かなパンは食のプロもうなる本格派。昨年、七里ヶ浜より移転して装い新たにオープンした。
パンを焼くのは無量井健太郎(むりょうい・けんたろう)さん。由比ガ浜に移ってからは、ファミリーや観光客まで客層の幅が広がったことに伴い、素材に向き合う姿勢はそのままに、メニューのラインナップをアレンジ。上述のレストランで食べたパンが気になって訪れる人もいるとか。早速、ワインに合うパンをきいてみた。
「定番でいうとフィグ(いちじく)をまず試して欲しいですね。甘みが強くて、実が柔らかくねっとりしたトルコ産の白いちじくをふんだんに入れています。さらに、赤ワインにつけたクルミ、シナモン、ナツメグ、クローブといったスパイスを加えることで重層的な味わいを楽しめます」
自身も子どもがいる無量井さんは親子で楽しめるパンとしてポム(りんご)をすすめてくれた。
「フレッシュなりんごは、軽くあぶることで風味を引き出しました。甘すぎない、爽やかなフルーツ感は白ワインと好相性。一方、子どものおやつにも最適で、親子で一緒に味わえるパンですよ」
さらに、ワインに合わせるなら、お店の“大黒柱”であるバゲットも欠かせない。
フランス産のオーガニック小麦をメインに、北海道産や湘南産の有機国産小麦を玄麦の状態から仕入れて、毎日製粉する。製粉したての粉で作るバゲットは、もっちりとした食感と豊かな風味、そこにクリアな酸味がアクセントを添え、そのままでも十分ワインのおともになる。口に運ぶと広がる、気高くすらある小麦の香りは格別で、3回は深呼吸ならぬ“パン呼吸”をしたくなる夢心地な香ばしさ。
「天然酵母100%でありながら、柔らかくておいしいパンを作りたい。鎌倉に店を構えたからこそ、そのチャレンジができていると思います。自家製の天然酵母を使い、毎日製粉した粉でパンを作るのにはそれなりの時間とコストが必要です。じっくりパンと向き合える環境、そしてそれを求める人々がいるのがここ鎌倉の最大の魅力。パン屋以外にも、オーガニックにこだわったお店やナチュラルなライフスタイルを実践する人が、地元の方はもちろん観光客に増えているのもうれしいですね」
Lumière du b
(リュミエール ドゥ べー)
所在地 神奈川県鎌倉市長谷2-7-11
電話番号 0467-81-3672
営業時間 11:00~18:00
定休日 第2・4火曜
https://www.facebook.com/Lumiere.du.b/
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2017.04.15(土)
文=吉村セイラ
撮影=平松市聖