最高の立地でシーフードに舌鼓
さらに社会貢献もできるレストラン

 コーンウォールのシーフードをふんだんに使ったイタリア料理を楽しめるのが、北コーンウォール、ニューキーにあるフィフティーン(Fifteen)です。

サバとシチリア風のブルスケッタ。

 毎日、その日に入荷したトップクオリティの食材に合わせてメニューが決められるため、どんな料理が食べられるのかは行ってみてのお楽しみ。日がさんさんと差し込むガラス張りのフロアで、テーブルにつけば目の前は一面の海。まるでビーチで食事をしている気分になれるロケーションも魅力です。

窓の外はすぐビーチという絶好のロケーションです。
レストランの前に広がるビーチは、サーファーたちが多く訪れるスポットでもあります。

 レストランの監修は、メディアでお馴染みのスターシェフ、ジェイミー・オリバー。ロンドンにあるフィフティーンの2号店として2006年にオープンしました。上質な料理やロケーションもさることながら、フィフティーンの一番の特徴は、レストランでありながら、若者の更正を助けるトレーニング機関でもある、という点です。

厨房で元気いっぱいに働く研修生たち。

 2002年にロンドンのフィフティーンがオープンした時には、逮捕歴や薬物の常用歴があったり、家庭の問題があったりと、さまざまな問題を抱えた16歳から24歳の15人の問題児たちが、フィフティーンで料理を通じて社会復帰するというドキュメンタリー番組がテレビで放送されて話題になりました。

 この番組を見た、コーンウォールの地方自治体で働く女性がジェイミー・オリバーに掛け合って、コーンウォールのこの土地に2号店がオープンしたのです。

研修生たちのプログラム制作と指導を担当しているトレーニング・アンド・デベロップメント・シェフのカール・ジョーンズさん。

 「ロンドン同様、16歳から24歳の問題を抱えた約20人が毎年厨房に加わり、調理師学校に通いながら、トレーナーと1対1のペアになってキッチンで修業をします」とコーンウォール店の開店時から、トレーニングを担当しているトレーニング・アンド・デベロップメント・シェフのカール・ジョーンズさんは話します。

「下ごしらえからペイストリーまで、1年間かけてすべてのセクションを経験し、ほかのレストランに1カ月の研修に出た後は、10人中9人はどこかでシェフとして職を得ますね」

左:コーンウォール産のタラの一種メルルーサがチコリのさわやかな苦みと相性抜群の一品。
右:定評のあるコーンウォール産の濃厚な乳製品を使ったパンナコッタやビスケットに甘酸っぱいルバーブを合わせたデザート。

 研修生の調理師学校の学費、他店での研修期間も含む年間の給与は、レストランの収益ではまかないきれず、欧州社会基金(ESF)からの支援を受けているとのこと。このレストランで食事をすることで、ささやかながらも社会貢献につながると考えると、ひと皿ひと皿に付加価値を感じます。

Fifteen Cornwall
(フィフティーン・コーンウォール)

所在地 On The Beach, Watergate Bay, Cornwall TR8 4AA
電話番号 01637-861000
http://www.fifteencornwall.co.uk/

2017.04.16(日)
文・撮影=安田和代