ハイブリッドなグリルで薫り高く焼きあげる
「ここのグリルはすごいんだよ。ちょっと見てみるかい?」
彼にうながされて、オープンキッチンの前へ。
なんでしょう、これは! ステーキを焼きあげる窯は、薪と炭火のハイブリッド。右手のハンドルを動かして巧みにグリル板を上下させ、肉を最高の状態に焼きあげます。
熱く燃える炎、薪のなんともいえない芳香にクラクラ。たまらなくお肉が食べたい気分はマックス! もう、待ちきれないわ!
ステーキは、アメリカ産とオーストラリア産のビーフを使用。
「今日は2つの国を食べ比べしてみないかい?」
アメリカ産はブラックアンガス。銘柄や産地、肥育方法までこだわっていて、脂の甘み、そしてやわらかさ。さすが、日本人が食べなれている味だけあってアメリカ産は抜群の安定感。
そして、オーストラリア産にトライ。やわらかさはアメリカ産にひけをとるけれど、肉の味の濃さは肉好きにはたまらない魅力。グラスフェッド(牧草飼育)ではなく、穀物肥育されたワイアラビーフなんですって。
グラスフェッドの香りが苦手でオージービーフから遠のいていた人も、これは試す価値ありね。
もちろん、ステーキには欠かせないサイドメニューも充実。クリーミーでリッチな味わいのマッシュポテト(700円)、そして、ほうれん草とアンチョビソテー(800円)は、彼が付け合わせのベンチマークにしているメニュー。
「デザートは、僕のおすすめを頼んでみたよ」
果実の味をふんだんに活かしたマンゴーのソルベ フルーツ添え(1,200円)。そして、チョコレートフォンダンショコラ ピスタチオのアイス(980円)に衝撃!
フォークを軽く入れると流れ出すアツアツのショコラが絶品。濃厚な口あたりにうっとりします。完成度高すぎです。
「ここの社長はね、”デザートは原価100%かけてでも、いいものを作れ”というくらい、デザートに力を入れているんだよ」と彼。納得のクオリティ。
ほどよく満喫したところで自家焙煎コーヒー(600円)が運ばれてきました。この日はコスタリカ産の豆をハイローストしたスペシャリティ。すっきりした味わい、香り高いコーヒーにほっとひと息。
さらにディジェスティヴとして自家製リモンチェッロ(800円)もあります。瀬戸内レモンを使ったリモンチェッロは、ストレートはもちろん、夏の暑い日はソーダ割りでもいい感じ。
ビーフ以外に、ニュージーランド産骨付き仔羊、カナダ産骨付き豚、鳥取県産大山鶏などもあり、肉好きにはたまらないラインナップ。
また、シーフードもいきたいなぁという方にはロブスターや鮮魚のグリルもあるんですって。今日のようなデートもいいけれど、大勢の仲間たちとあれこれ楽しむのもよさそう。
「ブランチにはハンバーガーや手軽にステーキを楽しめるメニューも用意されているから、テラスで楽しむ週末の午後というのもいいな」と彼。楽しい時間はあっという間に過ぎて行きます。
すると、帰り際、店のマネジャーが声をかけてくれました。「本日ご提供したアメリカ産ビーフはチョイスでしたが、リブアイは8月下旬、サーロインとフィレは9月上~中旬を目安に、最高格付けのプライムの提供が始まります」というではありませんか。
「じゃあ、その頃にまた来なくちゃね」と彼。
なんたってアンカーポイントだもの。また碇(イカリ)を降ろしに訪れなくちゃ。
Anchor Point(アンカーポイント)
所在地 東京都千代田区平河町2-6-4 海運ビル1F
電話番号 03-3263-8378
営業時間 11:30~23:00(b.s.b. COFFEE ROASTERSは8:00~19:00)
定休日 なし
予算 昼 2,000円~、夜 10,000円~
[2016年7月訪問]
Keiko Spice(けいこ すぱいす)
東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。
Column
新店来訪! 美味しい出合いに一番乗り
ニューオープン、シェフやメニューが変わった店、面白い企画を立ち上げた店……などなど、なにかと「新しい」店を一番乗りで紹介するページ。「美味しい出合い」にご注目ください!
2016.08.22(月)
文・撮影=Keiko Spice