オリジナリティのつもりがそうじゃない悲劇

会場となったantenna* <> WIRED CAFÉは、南青山の多目的空間、COMMUNE246内に位置するカフェ。

しまお まあメイクは、私はあきらめてるっていうか。技術的に、ここまでしかできないっていうのがあるから。でも、洋服はもうちょっといいものを着たいかな。

ジェーン 歳を取ってからファストファッションを着ると、さすがにみすぼらしくなるんですよね。

しまお 加工のシワが顔のシワに加算されますよね。

ジェーン でも、高い服っていうのも難しくないですか? たまに「柄おばさん」みたいな人いるじゃないですか。トランプが擬態したみたいな。私、体が大きいからああいう人になりかねないので。

しまお メガネも個性的になりがちな。

ジェーン そうそう。そういうのが好きな人ばかりの中に行ったら、結局「美大に行ったら全員下駄」と同じなんですよ。個性的になるのって難しい。

しまお 個性があるように見えて、その系列がありますよね。女の人って友達同士で服装の系列が似たりとかはしません? 同じ部類で集まりますよね。

ジェーン まあ、この歳になったら違うかな。友達のファッション、結構メチャクチャになってきましたよ。

しまお あ、本当に?

ジェーン それにしても「美大に行ったら全員下駄」って、標語にしてはっておきたいですね。オリジナリティのつもりでやってるけど、そうじゃないという。

しまお セルフヌードもね。私たちの世代にはなによりHIROMIXがいたから。手ブラとか、『ちんかめ』(宝島社)風な作品、美大には山ほどありました。

ジェーン うわー、あの時代にその歳だったら、私、死んでたわ。

しまお ビッグミニ(コニカから発売されていたコンパクトカメラ。HIROMIXも愛用)やトイカメラを持ち歩くのが当たり前。

ジェーン 全部呪いの言葉に聞こえますね。あの頃あんなに流行ったのに。

しまお 類が同じになっていくっていうのはありますね。

2016.07.24(日)
構成=臼井良子
撮影=鈴木七絵