小説からノンフィクション、自伝まで、美しい女性主人公たちに共通することとは?
ライター/ブックカウンセラーの三浦天紗子さんに、おすすめの6冊を伺いました。
» 第1回 村岡恵理『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』
» 第2回 中里恒子『時雨の記』
» 第3回 幸田文『きもの』
» 第5回 アゴタ・クリストフ『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』
» 第6回 姫野カオルコ『リアル・シンデレラ』
多くを望まなくなって再び光が射した
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『誰も知らないわたしたちのこと』
不妊の末にやっと授かった息子に先天性の異常が見つかり、中絶するかどうかを迫られた夫婦。著者自身の体験を下敷きに、苦渋の選択と、夫との絆を取り戻すまでを描く。最終的な決断によって、何もかもが削ぎ落とされてしまったような〈わたし〉に、ミニマムな美しさを感じる。
『誰も知らないわたしたちのこと』
シモーナ・スパラコ 著/泉 典子 訳
紀伊國屋書店 1,800円
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●今回、お話を伺ったのは……
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三浦天紗子(みうら あさこ)さん
ライター/ブックカウンセラー。ライター歴は四半世紀超え。現在は書評や人物インタビューを、本誌ほか『anan』『小説宝石』、Webなどに寄稿。4月より『サンデー毎日』でブックレビューを隔週連載。
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2016.03.25(金)
text=Asako Miura
photograph=Tamon Matsuzono
CREA 2016年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。