小説からノンフィクション、自伝まで、美しい女性主人公たちに共通することとは?
ライター/ブックカウンセラーの三浦天紗子さんに、おすすめの6冊を伺いました。
» 第1回 村岡恵理『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』
» 第3回 幸田文『きもの』
» 第4回 シモーナ・スパラコ『誰も知らないわたしたちのこと』
» 第5回 アゴタ・クリストフ『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』
» 第6回 姫野カオルコ『リアル・シンデレラ』
熟年カップルの不倫を描いているのに……
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『時雨の記』
熟年カップルの不倫を描いているのに、まるでみずみずしい初恋物語のよう。ヒロインの多江は、いじらしいけれど貧乏くさくはなく、確かな審美眼を持つが多くを欲しがらない。同性でさえかわいい人だなと感心し、憧れてしまう。いわば“女子力の天才”には見習うこと多し。
『時雨の記』
中里恒子 文春文庫 510円
» 立ち読み・購入はこちらから(文藝春秋BOOKSへリンク)
●今回、お話を伺ったのは……
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三浦天紗子(みうら あさこ)さん
ライター/ブックカウンセラー。ライター歴は四半世紀超え。現在は書評や人物インタビューを、本誌ほか『anan』『小説宝石』、Webなどに寄稿。4月より『サンデー毎日』でブックレビューを隔週連載。
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2016.03.21(月)
text=Asako Miura
photograph=Tamon Matsuzono
CREA 2016年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。