NHKスペシャル「産みたいのに 産めない ~卵子老化の衝撃~」やAERA「<卵子の老化>婚前卵活で産みたい」など、「卵子の老化」がさまざまなメディアに取り上げられるようになりました。

 働く女性にとっては、仕事が忙しい時期と出産適齢期が重なり出産が遅れがちです。しかし、ライフプランを考える際に出産時期を後ろに持っていくと、不妊治療などに思わぬお金がかかってしまうことがあります。不妊治療にかかるお金の目安をあらかじめ知っておくことも大切です。

 不妊治療の費用の目安は、初診検査費用が1~3万円程度、タイミング法が数千円程度(健康保険が適用されることが一般的)、人工授精が1~3万円程度、体外受精や顕微授精になると30~70万円程度になります。

 NPO法人「Fine」の「不妊治療の経済的負担に関するアンケート」(対象者1993名)によると、治療にかけた総額は50万円以上~100万円未満が17.6%、~200万円が24.8%、~300万円が15.2%、~500万円が10.6%、500万円以上が4.6%となっています。顕微授精の1周期あたりの平均治療額は、30万~50万円が43.9%、50万円以上が44.7%と高額。顕微授精を4回行うと、あっという間に200万円程度の負担になるのです。

 また、治療期間で最も多かったのは2~5年未満が43.2%、1~2年未満が27.3%、1年未満が14.8%、5~10年が13.4%と、治療が長期化していることがわかります。治療中に仕事をやめてしまう人も多いのですが、高額の治療費を支払うためにも、できる限り仕事は続けたいものです。上司や人事部などに相談をし、有給休暇などを活用するのも手です。

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2013.10.13(日)
text:Yoko Hanawa
photograph:Fotolia