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目的
本の話
定時制高校の科学部を舞台にした「青春小説」が誕生するまで。『宙わたる教室』(伊与原 新)
「今年の連合大会、高校生セッションに抜群に面白い研究があったよ。定時制高校の科学部でさ、メンバーもいろいろで面白いんだ」学生時代にお世話になった教授のそんな言葉をきっかけに、この小説は生まれました。
2023/11/10
最も救いなく人を恐怖させるもの『自選作品集 海の魚鱗宮』(山岸 凉子)
この夏、山岸凉子先生の「怖いマンガ」について書いて欲しいというオファーが二つ続けて来た。今夏は例年にない酷暑になりそうだから「背筋が凍るほど怖いもの」の需要が高まるという話が出版社の企画会議で出たのかも知れない。その会議のようすを想像しているうちに、私がそこにいたらどんな提案をするだろうか考えた。「内田君の考える『背筋が凍るもの』って何?」と訊かれたら、少し考えてこんなリストを挙げるのではないかと思った。
2023/11/08
喜び、哀しみ、楽しさ、苦しさ――。忘れていた原点『ふたつの時間、ふたりの自分』柚月裕子エッセイ
このたび刊行となったエッセイ集は、デビューしてから十五年のあいだに書いたものだ。改めて見ると、思っていた以上にあり、なかには書いていることを忘れているものもあった。覚えていてもすでに原稿がないものもあり、集めてくださった担当編集者Tさんはかなり大変だったと思う。このエッセイ集は、Tさんの努力なくしては出なかったものだ。まずはTさんに、この場を借りて御礼申し上げたい。
2023/11/06
コロナ下でも一切ブレない通常運転ぶりに凄みを見た!ジェーン・スー『マスクは踊る』書評
飄然と暮らすことが難しい時代になった。人間の抱える矛盾を受容した上で面白がったり、生活のあれこれを少し意地悪く観察したり、何事にも例外がある大前提を省略して語ることを善しとしないムードは、年々高まっている。
2023/11/03
軽やかで奥深い。不安な時代を生きる日本人への応援歌『田舎のポルシェ』(篠田 節子)
篠田さんには二度、殺されたことがある。まず細貝(ほそがい)で。次に、さやかで。名字の時は登場人物の一人にすぎず逝き方もあっけなかったが、ファーストネームの際は狂喜した。心の底から衝撃を受けた短編のヒロインだったからだ。
2023/11/02
重くてつまらない日常の肯定『ばにらさま』(山本 文緒)
基本的に物語というものは、生活を排除しがちである。ハリー・ポッターが洗濯する場面を読んだことがない。桃太郎がどんな服を着ていたのか、ほとんど知らない。恥の多い生涯を送って来ましたと言う主人公が、どんな布団でどんなパジャマでどれくらいの時間寝ているのか、よく分かっていない。しかしそんな情報が物語で語られることは少ない。なぜなら物語とは非日常を語るものだと、私たちは思い込んでいるからだ。
2023/10/31
ホームズ×ルパンを彷彿とさせる最強の名探偵老老コンビ『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』
本書『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』は『静おばあちゃんと要介護探偵』の続篇に当たる五篇を収めた連作集だ。日本で二〇人目の女性裁判官で東京高裁の元判事・高遠寺静は法科大学に招かれ名古屋に滞在するが、そこでトンデモない地元の有名人と知り合う。それが不動産会社の社長にして商工会議所の会頭、町内会の会長などの要職を兼任する経済界の重鎮、“要介護探偵”の異名を持つ香月玄太郎だった。
2023/10/30
【冲方 丁】雄々しさと艶っぽさ、そして苦悩を抱えた光國の魅力『剣樹抄 不動智の章』
まいったな。『剣樹抄』を読み終え思わず唸った。「今度、ドラマにしたいと思ってる小説なんだ」とプロデューサーから手渡され、読み始めた。私は脚本家なので仕事として手にとった小説、のはずだった。が、そんなことはすぐにどこかへ行き物語の世界へぐいぐいと引き込まれた。
2023/10/27
人間、孔子が生きている!『論語』が新たに甦る『孔丘 上下』(宮城谷 昌光)
人間孔丘を描きだすことは、聖人孔子を描くよりずっとむずかしいだろう。何しろ人生の事跡そのものが不確定なのだ。出生ひとつとっても、専門家のあいだで、「農民の子」(加地伸行)「下級士族の子」(木村英一他)説が対立し、「父なし子として母の手で貧賤のうちに育てられた」(金谷治)、「母と別れ父方で過ごした」(加地伸行)と見解が違っている。
2023/10/26
火災現場に残された“三人家族”の遺体 しかし三人は赤の他人だった――伊岡瞬、新連載「追跡」に寄せて
《目の前を、親子三人が仲良く手を繫ぎ、楽しそうに歩いてゆく》こんな表現に、わたしは以前から疑問を抱いていた。もう少しきつい言葉で言えば、それは小説として「手抜き」ではないかとすら思っていた(もちろん、自分自身が書いたものも含めて)。
2023/10/25
新刊『雨だれの標本』に寄せて『雨だれの標本』(吉永 南央)
人は変わる。新作の創作用メモの1行目には、こうありました。このエッセイの依頼を受けて、私は最初に何を思って本作を書こうとしたのだろう、と思い、あらためて振り返ってみて発見したという感じです。人は根本的には変わらない、とも思っているのですが、メモにはこんな記述もあります。
2023/10/24
岩井圭也、南方熊楠に挑む! 博覧強記の才人が、追い求めたものとは――「われは熊楠」に寄せて
「南方熊楠」の名を初めて聞いたのは、小学生の時だった。私の両親は和歌山市の出身で、夏や冬の長期休暇にはよく和歌山へ足を運んだ。大阪に住んでいた私は、妹と一緒に母が運転する車の後部座席に座り、ラジオを聴きながら和歌山へ到着するまでの時間を過ごした。
2023/10/23
ウクライナ戦争勃発から1年半。終わりの見えない戦争、世界情勢の行方は? (小泉 悠)
本書『終わらない戦争』は、二〇二二年秋から二〇二三年の夏くらいまでに行われた六本の対談を再録したものです。媒体もテーマもいろいろではあるものの、どの対談もウクライナでの戦争が大きな比重を占めています。
2023/10/13
若き巨星、藤井聡太。彼に挑むライバル棋士たちを観戦記者が描く『藤井聡太ライバル列伝』
時代の覇者が対峙していた。羽生善治と藤井聡太。1996年に七冠全制覇を果たした平成のレジェンドと、2023年に七冠を保持する令和の天才が、6月28日に第71期王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で顔を合わせたのだ。
2023/10/12
指名手配犯が今ここにいる! 圧巻の逮捕劇を描く。『緊立ち 警視庁捜査共助課』(乃南アサ)インタビュー
警察小説の名手である著者が、刑事たちの人間ドラマを描いた『緊立ち 警視庁捜査共助課』を刊行した。今作の主人公は、二人の女性刑事。刑事を描くのは、『自白 刑事・土門功太朗』(文春文庫)以来13年ぶり、という著者に話を聞いた。
2023/10/11
嶋津輝さん『襷がけの二人』に書店員の方々から熱い感想が続々!
短篇集『スナック墓場』が高い評価を受けた嶋津輝さんの書き下ろし長篇『襷がけの二人』が刊行されました! 大正時代、裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭だったお初さんとの不思議な絆……一足早く読んだ書店員さんから届いた感想をご紹介します。
2023/10/10
最悪な治療の歴史を知ってこそ未来への希望がある『世にも危険な医療の世界史』
現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけることができるが、過去の医療の多くは現代の比ではなく危険で、無理解の上に成り立っていた。本書『世にも危険な医療の世界史』はそんな「何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史」を、元素、植物と土、器具、動物、神秘的な力に分類し、語り倒した一冊である。
2023/10/09
今こそ取り戻したい幸田文の「身体」『精選女性随筆集 幸田文』(幸田 文 川上 弘美)
幸田文の八十六歳の生涯は、ちょうど真ん中の四十三歳で、前半と後半があざやかにきりかわっている。父親の幸田露伴の死をきっかけに、家族の面倒に追われる日々から、ジャーナリズムでもてはやされる随筆家、作家へと立場が一変したのだ。
2023/10/06
柳澤 健の三部作最終巻――旧世代から新世代へと受け継がれていく日本プロレス格闘技
本書は文藝春秋から上梓された『1976年のアントニオ猪木』、『1984年のUWF』に続くプロレス格闘技三部作の最終巻『2000年の桜庭和志』の文庫化である。2007年に出版された『1976年のアントニオ猪木』は、文藝春秋で『スポーツ・グラフィック ナンバー』の社員編集者であった柳澤健がフリーとなり、47歳にして作家デビューを果たした作品だ。
2023/10/05
愚かな若者が愚かな自分に気がつき、世界の広さに打ちのめされる物語 東畑開人『野の医者は笑う』
『居るのはつらいよ』『心はどこへ消えた?』『ふつうの相談』などが多くの読者に読まれている、われらがカウンセラー、東畑開人さん。『野の医者は笑う』は、30代に入ってほどなくして刊行された、若き心理学者の初めての一般書にして規格外のエンターテインメントです。
2023/10/04
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