街中にクリスマスムードが漂い、心がときめく今日この頃。恒例の「文春文庫 オブ・ザ・イヤー」をお届けさせていただきます。
年末年始をゆったり過ごす際の読書時間に、また、大切な方へのプレゼントに、おすすめの作品が揃っています。
ぶんこアラのPOP、オビが目印です。是非書店で手に取ってみてください。
「文春文庫 オブ・ザ・イヤー」各部門のNo.1をご紹介します。
【★新刊本 No.1】
『透明な螺旋』(東野圭吾)
新刊本の第1位は、ガリレオシリーズの最新文庫です。
「あの日 手放した子は 今どこに?」
という謎めいたキャッチフレーズが掲げられた傑作ミステリー。
南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。同時に、男の行方不明者届を出していた同居人の女が行方をくらませた。捜査にあたった草薙と内海薫はその過程で、思いがけず湯川学の名前に行きつく。草薙はすぐさま湯川の元を訪れたが、彼はそこ、横須賀のマンションで意外な生活を送っていた――。
巻末には、短篇「重命る(かさなる)」が特別収録されています。
12月6日は「東野圭吾を爆流(バズ)らせろ!」キャンペーンの結果も発表される予定です。ご期待ください。
【★既刊本 No.1】
『夜明けのすべて』(瀬尾まいこ)
2024年2月に、映画「夜明けのすべて」が公開され、松村北斗さんと、上白石萌音さんの演技が、多くの人の心に届いたことも記憶に新しい今作。
PMS(月経前症候群)で感情を抑えられない美紗。パニック障害になり生きがいも気力も失った山添。
友達でも恋人でもないけれど、互いの事情と孤独を知り同志のような気持ちが芽生えた二人は、自分にできることは少なくとも、相手のことは助けられるかもしれないと思うようになり、少しずつ希望を見出していく――。
人生は苦しいけれど、救いだってある。
そんな二人の奮闘を、温かく、リアルに、ときにユーモラスに描き出し、誰もが抱える暗闇に一筋の光を照らすような心温まる物語。
2024.12.10(火)
文=文春文庫部