BPMの疾走感は「恋の狂気」を走らせる、最強のガソリン
番組を観ていて驚かされるのは、彼らの感情が「沸点」に達する速さと、その後の「冷却」の鮮やかさです。さっきまで死ぬ気で喧嘩をしていた相手と、数分後には肩を組んでいる。時には涙を流す。あるいは、「お前しかいない」と命を懸ける。
この刹那的で過剰な熱量に寄り添える音楽は、今の洗練されすぎたJ-POPにはなかなか見当たりません。現代のヒットチャートを飾る曲の多くは、客観的な視点から「共感」を誘うものが主流です。しかし、彼らが求めているのは、背中を優しくさするような癒やしではなく、煮えたぎる血をさらに沸騰させるような、圧倒的な「疾走感」なのです。
小室が作るダンスミュージックは、常に高いBPMを維持しています。それは、立ち止まることを許さない都市のスピード感であると同時に、明日などないかのように今日を燃やす彼らのライフスタイルそのもの。
「ブレーキの壊れた純情」を持つ者にとって、小室サウンドが持つ焦燥感は、最高のBGM。この「時間の流速」と「感情のピッチ」が、番組の世界観と一寸の狂いもなく同期したのです。
さらに言えば、小室サウンドが持つ「トランス(没入)性」も重要です。四つ打ちのビートに意識を溶かし、自分と音楽だけの世界に引きこもる。その圧倒的な「個」への没入感こそが、自分と相手しか見えなくなる「恋の狂気」を走らせる、最強のガソリンになっているともいえます。
