シンプルを極めた純白のきんとん

 できたてを楽しめるきんとんは、新春恒例の「雪餅」が登場しています。

 黄色に染めた白餡を芯に、つくね芋と砂糖だけで作ったそぼろをまとわせた、とてもシンプルなお菓子です。

 つくね芋は薯蕷(じょうよ)饅頭の生地の原料として知られ、加熱すると山芋らしい優しい粘りが生まれます。ここでは一度蒸かして裏ごしし、さらに砂糖を加えて、裏ごし。しっかり練ることで口どけのいい生地になるのです。

 普段扱っているそぼろとは違い、粘りのある生地は扱うのが少し難しいそうです。でも、口に入れた瞬間のやわらかさや口どけは上々。

 ねっとりとした生地ですが、少しずつ丁寧に、職人技によってあんこに付けていくので、口当たりはふんわり。毎年、年明けはこちらを目当てにカウンター席から予約が埋まっていくというのも頷けます。

 「新年を真っ白なところから」という、とらやの想いが込められたきんとんです。

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