ぶっつけ本番の地下鉄での撮影
――撮影の楽しい雰囲気がうかがえるエピソードですね。
アン・ボヒョン 現場の雰囲気は本当に良かったですね。その和気あいあいとした空気感が、映像にも自然と表れていると思います。
――演出はドラマ「私の夫と結婚して」のパク・ウォングク監督です。監督との仕事はいかがでしたか?
イ・ジュビン 監督はとてもオープンマインドな方で、私たち俳優の意見にも常に耳を傾け、尊重してくださいました。
アン・ボヒョン パク監督は、俳優がリラックスして演技に臨めるよう細やかに気を配ってくださる方です。ご自身も釜山出身なので、方言の指導をしてくださることもあり、とても頼りがいがありました。さまざまな場面でアドリブを求められましたが、それがかえって撮影をより楽しいものにしてくれました。
――特に思い出深かった撮影があれば教えてください。
アン・ボヒョン 真っ先に思い浮かぶのは、僕が「財閥の末息子」になりきる場面ですね(笑)。本作の主なロケ地は浦項(ポハン)で、カメラを回せばいつも美しい海が広がっています。その景色の中で撮影できること自体、とても幸せでしたね。海の見える自然豊かな場所での撮影だったので、自然からも大きなエネルギーをもらえました。
イ・ジュビン 忘れられないのが、韓国南部でのロケ中に地下鉄へ駆け込みながら「セジン! セジン!」と大声で叫ぶシーンです。これまで経験したことのない撮影方法でした。
撮影監督と数名のスタッフさんが私の後ろ姿を追いかけて撮っていたのですが、周囲にいた乗客の方々は事情を知らない一般の方ばかり。事前の告知も一切せず、まさにぶっつけ本番でした。皆さんが不思議そうにこちらを見つめる中、事情を知らない親切な方が「こっちに行ったよ」と教えてくれたりもして……。
カットの声がかかった瞬間、恥ずかしさで顔が真っ赤になりました。あのとき同じ地下鉄に居合わせた方がいらしたら、ぜひドラマを観ていただきたいです。
――ユン的見どころ、ジェギュ的見どころを教えてください。
アン・ボヒョン 最初は血気盛んで荒っぽいジェギュが、ボムと出会うことで変わっていき、繊細で優しい姿を見せるようになる様子や、「盾」のようなボムと、「矛」のようなジェギュが関係を築いていく過程ですね。ボムと一緒にいるときのジェギュは、急に固まってしまったり、逆に妙に張り切ったりするシーンもおもしろいと思います。
イ・ジュビン 高校教師という役柄のため、黒板に文字を書くシーンが出てきます。演技をしながら板書する練習はかなりやりましたね。さまになっているといいんですけど。
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- 文=酒井美絵子










