“俳優アン・ボヒョン”の身体能力をフルに活用した撮影
――ジュビンさんとボムの似ている点は?
イ・ジュビン 第一印象と実際の性格にギャップがあるところですね。見た目はクールで少し近寄りがたい印象に見えるかもしれませんが、私もボムも、親しくなると意外と気さくで、どこかB型っぽい一面があるんです。
違う点を挙げると……ボムは「小鹿のような瞳」に、あふれんばかりの豊かな感情を秘めているところでしょうか。そして私よりもずっとピュアで、柔らかな雰囲気があります(笑)。
――お二人は今作で初めて共演されましたが、お互いキャスティングを聞いた時、どんなお気持ちでしたか?
アン・ボヒョン 実は、出演が決まった時、ボム役が誰になるのかが気になりすぎて、監督に「せめてヒントだけでも教えてください」と、しつこく聞いていたんです。ジュビンさんが演じると知った瞬間、本当にワクワクしました。
ボムは、有頂天になったかと思うと、次の瞬間にはひどく落ち込むなど、さまざまな感情を見せるキャラクター。ボムを生き生きと表現できるのはジュビンさんしかいないと思いましたし、役柄とジュビンさんの印象が重なる部分がとても多くて、「彼女なら最高のボムになる」と直感しました。実際に撮影もとても楽しかったですね。
イ・ジュビン 私は台本を読みながら、私なりにジェギュという人物像を思い描いていたのですが、それがアン・ボヒョンさんと驚くほどぴったり重なりました。「これは絶対に面白くなる」と感じましたし、自然と期待が膨らみました。
実は、お会いする前は「もし怖い人だったらどうしよう」と少し緊張していました。実際にお会いしたら、とても繊細で思いやりにあふれていて、頼りがいのある方で安心しました。
――撮影をする中で、お互いに「すごいな」と感心した部分はありますか?
アン・ボヒョン ジュビンさんは、想像以上にエネルギッシュで、まったく疲れを見せない方でした。撮影が始まった頃は本当に暑くて、強い日差しで日焼けしてしまうほど過酷な環境だったんです。それでもジュビンさんは一度も弱音を吐きませんでした。
あるとき、真夏にもかかわらず、真冬の設定で厚着をして撮影しなければならない場面がありました。その時も涼しい顔をして演じる姿を見て「僕が暑いなんて言っている場合じゃないな」と思いましたね。
イ・ジュビン ボヒョンさんは運動神経が抜群で身体能力が高いことで有名じゃないですか。だからなのか、体を張るシーンが本当にたくさんあったんです。「これ、スポーツドラマだっけ?」と錯覚するくらい(笑)。スタッフの皆さんが、“俳優アン・ボヒョン”の身体能力をフルに活用していました。
実際に目の前で見ると、想像をはるかに超える身体能力の高さなんですよ。体力を激しく消耗する演技が続いても、最後までやり切ってしまうんです。「この人はただ者じゃない。何をやっても成功する人だ」と思いました。
――特に印象に残っている“体力消耗シーン”は?
イ・ジュビン ジェギュがボムを追いかけるシーンですね。本来なら追いつけない設定なのに追いつかれてしまったんです(笑)。ボヒョンさんは、そのシーンの前からずっと走り続けていたんですよ。その姿を見て、「きっとアスリートになっていても大成していただろうな」と思いました。
- date
- writer
- staff
- 文=酒井美絵子










