朝ドラ『ばけばけ』の現場で感じたこと

――台本を持ちながら歩いているのですか?

 いいえ、台本は持たずに手ぶらで歩きます。セリフを一通り覚えたあと、セリフを身体に定着させるイメージですね。僕は歩きながらのほうが、頭がよく回るので、考え事をしたい時にもよく歩いています。

 昔は机の前に座って「さあ、集中してセリフを覚えよう」とやってみたこともあるのですが、どうしても動きたくなってしまって……。結局、歩いている時のほうが、考え事をしたり集中したりというパフォーマンスがあがる、ということなんだと思います。

――お祖父さまやお父さまも同じように歩きながら覚えておられたのでしょうか。

 いや、やっていないと思います。父が散歩しているところは、そういえば見たことがないです(笑)。

――寛一郎さんは9月から放送されているNHKの連続テレビ小説「ばけばけ」にも出演されました。はじめての朝ドラの現場はいかがでしたか。

 僕は、髙石あかりさんが演じる主人公・トキの最初の夫・銀二郎を演じさせてもらったのですが、とにかく明るくて、ものすごくポジティブなエネルギーを感じる現場でした。

 クランクインの時から「前から知り合いでしたっけ?」と思うほど、共演者やスタッフのみなさんがフレンドリーで。あたたかく迎え入れていただき、のびのびと芝居に集中することができました。貴重な経験をさせていただき、感謝しています。

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