筆者がどちらかを選ぶとしたら……

 以上、実機を使わなければ分からない違いを中心にチェックしました。両製品ともハードウェアとしては進化している一方で、従来モデルにあった明確な要改善点が見逃されていたり、また新しく追加されている機能は「それって必要なの?」と感じるものが多かったりと、例年に比べるとややピントがずれている印象を受けます。

 またPixelは、今回のテスト以外にも、従来モデルになかった動作の不安定さが目立ちます。具体的にはジャイロセンサーに問題があるのか、撮った写真が天地反転されて保存されてしまったり、また連写やレコーダー機能の使用後に保存でもたつき、うっかりその間に再起動すると記録したはずのデータが消えてしまったりといった具合で、いまいち信用ならない印象です。何らかの内部機構がダウングレードしているのかもしれません。

 さらに今回取り上げなかった生成AI関連の機能についても、Pixelは実装が進んでいるものの「余計なお世話」の印象を強く受けました。一方のiPhoneは実装そのものが進んでおらず、どちらもそれぞれ問題を抱えています。

 新機種を探している場合には間違いなく候補の最右翼となるこれらの製品ですが、筆者個人はどちらのモデルについても、従来ほど強くお勧めしきれないのも事実です。ここ何世代か前のモデルからの買い替えというのは、毎年のようにスマホを買い替えている人であっても慎重になるべきではないかと、今回の試用で感じさせられました。