久しぶりのスキンヘッド姿で、ギャング役を怪演

――今回、久しぶりのスキンヘッドだったわけですが、そのほかの役作りについては?

 「BOB」は実在するギャングをモデルにしているのですが、そのメンバーが頭を丸めていることは知っていたので、いつでも丸める覚悟はできていました。それに、今までここまで非情な悪役を演じたことはなかったので、嬉しかったです。とにかくいろんな動画を見たり、ネットで調べました。それで分かったことがあって、みんな狂気に満ちた目が印象的だったんです。だから、そこはかなり意識して演じていますね。

――柴田恭兵さんと舘ひろしさん、さらにボスであるガルシア役の吉川晃司さんとの共演はいかがでしたか?

 僕の撮影初日、最初のシーンが柴田さんと舘さんから取り調べを受けるシーンだったんです。しかも、あのシーンでは恭兵さんにつかみかからなきゃいけないので、正直緊張どころではなかったですね。ただ、おふたりとも「自分がやりたいようにやってみな」と言ってくださったことで、リラックスできました。その後には、恭兵さんとアクションさせていただくシーンもあったので、とても勉強になりましたね。吉川さんも気さくな方で、スペイン語での会話もリラックスして出来ました。

――そのほか、現場での思い出があれば教えてください。

 テストが少なく、すぐに本番に入ってしまう早い現場について行くのが大変でした。また、タンクトップにジャケットを羽織るといったディーノの衣装やアクセサリーも選ばせてもらったのですが、それは演技についても同じことで、アドリブだったり、自由にやらせてもらうことの楽しさや難しさも学ばせてもらった現場でもありました。今回の経験で、ひとつの役を作るために、とにかく深く深く追求していくという貪欲さが養われたと思います。

2016.01.22(金)
文=くれい響
撮影=深野未季