でもなぜ肌のみならず、顔だちまで?
右:ザクロをベースに15種類のハーブをバランス良く配合。水やお湯のほか牛乳などで割ってもおいしい。ほの甘くさわやかな酸味。密 -hisoca- 柘榴 490mL 5,000円/大正製薬
じつはここで、その謎を解明する事実が見つかったのだ。それは、細胞の変化。生理前の肌細胞は潰れたように形が歪み、しかも汚れたようにくすんでいるのに、排卵期の肌の細胞は丸々と太り形もキレイ。色まで澄んで明るくなっていることがわかったのだ。つまり、全細胞がキレイに整うから、顔だちまで整う。全細胞が均一に透き通るから肌色まで白くなる……。
この事実に着目したのが、アルビオンの超高級クリーム、エクス・ヴィ ギンザ。女性ホルモンを研究してきたアルビオンのひとつの集大成であることから、ブランド発祥の地であるギンザと名づけられた。女性ホルモン様成分を多数配合することで、言うならば排卵期の美しさを、ずっと保ち続けるような働きかけを持ったのだ。
言うまでもなく、女性ホルモンと同じ働きをする成分を効果的に、しかも安全に肌に送り込む発想の美容は、今に始まったものじゃなく、たとえばザクロなどは、女性ホルモンに似た効果で注目されたフルーツ。大正製薬が作った濃縮美容ドリンクのザクロは、毎日の習慣にしたい美人ドリンクだ。コスメキッチン初のオリジナルスキンケアもザクロをはじめ、オオヒレアザミ、ダマスクローズなどを配合。まさに女性ホルモンへダイレクトに働きかけるエイジングケアとなったが、中でもパウダータイプのインナーケア“ウーマンバランス”は、その軸となるユニークな一品。ぜひ取り入れたい。
女性ホルモン剤の投用はかつて副作用があったことから、タブー視された時代もあるが、天然成分によって安全に送り込まれる女性ホルモン効果なら、取り込まないなんて人生レベルの損をする。だから逆らうことなく始めてほしいのだ、排卵期美容。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2015.12.04(金)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫