アダルトには懐かしく、ヤングにとっては新しい曲調
伊藤 近年は、病気で活動休止したり、映画で主演したり、武道館で復帰ライブしたり、なにかと話題の人になりました。
山口 クモ膜下出血ですね。再入院して検査もしているようですが、心配ですね。身体に気をつけてほしいです。でも僕が好きなのは、そんな瀕死の状況でも、看護婦さんとのSMなやり取りを妄想したとコラムなどで述懐しているところです。AVについて女性ファッション誌にも載せて、女性からの好感度が上がっているのがすごいなと。
伊藤 そうなんですね、そんなエロ路線だとは知らなかった(笑)。「家族なんです」という曲からは全く想像しなかったんだけど、彼はマイケル・ジャクソンにかなり影響を受けていて、今回の曲に出てくる「Hey J」というのはMJのことなんだそうです。詞の内容もMJに話しかけているようで、「いつだって天国からその歌きかせて、僕らを元気づけてくれよ!」といった感じ。曲調はモータウンな感じに仕上がっています。最近だとブルーノ・マーズがバリバリのソウルミュージックを世界中でヒットさせているから、日本でもこういうのがウケルかも。アダルトには懐かしく、ヤングには新しいってやつね。
山口 ジャズミュージシャンを目指していたが青果店を継いだ両親のもと、沢山のレコードを聴いて育っている人だそうですよ。
伊藤 へぇ~そうなんだ。ちょっと分かるような気がします。
山口 クレージーキャッツやはっぴいえんどもルーツにあるそうです。若いころ絶望の縁でクレージーキャッツに在籍していた植木等の「だまって俺について来い」の「そのうちなんとかなるだろう」という言葉を信じるしかないと思った、というエピソードが好きです。
伊藤 面白いですね。
山口 「SUN」のタイアップのドラマについても、星野源自身が、小学三年生の時にウンコ漏らしキッカケでいじめにあいパニック障害になって、 薬を服用し始め、高校の時についに爆発して不安神経症になり不登校に、という経歴があるので、説得力がありますね。星野源の楽曲をたくさんの人が聴く機会になるといいですね。
伊藤 ですね。
2015.05.14(木)
文=山口哲一、伊藤涼