マイナス27度の寒さも忘れるほどの感動!

オーロラ鑑賞ツアーは電灯などの光のない場所へ。移動手段はトナカイの毛皮を敷いたソリや、暖房の効いたアクリルの大型ケース(一見、かぼちゃの馬車のよう)をスノーモービルに牽引してもらう。

 今回の4泊6日で泊まった街は、2泊ネッリム、2泊イナリ。ほぼ毎日、オーロラを観察することができた。はじめて見たオーロラはいわゆる“ぼんやりオーロラ”で、霞のように漂うもの。正直、イメージと違うと思ったけれど、その後は“はっきりオーロラ”が続出!

スノーモービルを自ら運転して鑑賞ポイントへ移動することも。

 北の空を見上げていると、刻々と形を変えつつ、オーロラが迫り、頭上を通り過ぎてゆく。裾はグリーン、上に行くにしたがいほんのりピンクのカーテン状がひらひらと揺らめいたり、サービスステーション(休憩小屋)に向かって煙のように降りてきたり。同じシーンは二度とない。マイナス27度の寒さも忘れるほどの感動!

サービスステーションへ舞い降りたようなオーロラ。これまでオート以外で撮影したことはなかったけれど、私のような素人でもどうにか、この程度は……。

 ネッリムでは、オーロラ観測ツアーに出かける前に、リゾートのスタッフから撮影テクニックのレクチャーがあった。デジカメで撮影をしてみたが、細かい調整は手袋をはずさないとできず、数分外気に触れると、指がしびれてくる。肌の露出は短時間で、が基本。ちなみにコンタクトレンズはOKだが、メタルフレームのメガネは肌に張り付いてしまう危険があるそう。

 身体が冷えたら、湖畔に立つサービスステーションへ。スタッフが焚き火とあったかいベリージュースを用意してくれている。芯まで凍った身体に甘酸っぱいベリージュースの美味しいこと!

オーロラ鑑賞は、宇宙服のような防寒着&ブーツをレンタルして着用。使い捨てカイロも各種(貼るタイプ、足裏タイプなど)必携。(C)Visit Finland-Antti Pietikäinen

 ネッリム、イナリ、どちらもイナリ湖上での観測。イナリでは湖上のみならず、町中のホテルでも見ることができた。ただ、もう出ないだろうと寝てしまった後に、オーロラが大フィーバーした夜も……。北欧の先住民サーミの間ではオーロラにも魂があると信じられているが、まったく気まぐれな存在だ。

【取材協力】
Lapland-The North of Finland

URL http://www.onlyinlapland.com/

【情報提供】
フィンランド政府観光局
URL http://www.visitfinland.com/ja/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/