スノーモービルのハンドルを握って氷上フィッシングへ

身体を芯から暖めてくれる、アクティビティ後の焚き火グルメ。

 スノーアクティビティというと、スキーやスノーボードが思い浮かぶけれど、ラップランドではさらに上行く、エクストリームな冬の楽しみが待っている。

 スノーモービルを駆って湖面へ向かい氷上フィッシング、そして雪原を踏破するスノーシュー。アクティビティの後は、焚き火を囲んで、甘く温かいベリージュースで身体を暖め、枯れ木に刺したマッカラ(ソーセージ)を火であぶってパクリ! この焚き火が楽しくて、楽しくて!

時速30キロ前後だけれど、体感速度はそれ以上!

 ラップランドでは一家に一台はあるというスノーモービル。見た目は水上バイク(実際に夏場は湖で乗りこなすらしい)、操作は原付バイクの要領で運転し、雪原を疾走する。

 ツアーではまず操作方法を習う。ハンドル部分にあるアクセルとブレーキで速度を調整し、ハンドルを切ったり体重移動で方向を変える。ハンドル部分は焼け石に水的な対処ではあるけれど、ヒーター機能がある。スノーモービルにはタイヤはなく、キャタピラーを高速回転させて動くので、足が巻き込まれないように注意が必要だ。

伝統的な漁法をデモンストレーション。氷上フィッシングはイナリ湖に氷が張る11月末から開催。

 バラクラバ(目出し帽)を付け、フルフェイスのヘルメットをかぶって、さぁ出発! インストラクターを先頭に、二人乗りしたスノーモービルが一列になって進む。

デモンストレーションの後は、自分で氷上フィッシング。まずはやり方のレクチャーを受ける。

 運転方法は原付バイクと似ているものの、スノーモービルはわだちにハンドルをかなり取られる。ハンドルのグリップをゆるめに握り、“遊び”を持たせておくのがコツ。そしてわだちから外れても気にすることなく進む。ドライバーはスリルとスピード感に汗をかくほどだけれど、見守る後部座席は寒風にさらされ、かなり寒い。

 結氷したイナリ湖を進み、事前にスタッフが昔ながらの魚釣りの仕掛けを施していたポイントへ。厚さ40センチの氷に空いた穴から仕掛けた網を引き揚げると、フィンランドの地魚シイカがかかっていた。網から外して氷上におくと、ものの1分もしないうちに、冷凍状態に。

氷上フィッシング中に、光が柱状に見えるサンピラーと、太陽の周りに光の輪が現れるハロ現象が!
スノーモービル&氷上フィッシングをガイドしてくれたカルロス・ロペスさんとアンティ・ハパコスキさん。

 伝統漁を見学した後は自分でも氷上フィッシングにトライ! 手動式のドリルでぐりぐりと氷を削って穴を作り、糸を垂らす。が、待てども待てども……。結局、この日の釣果は2匹のみ。

 とはいえ、引きを待っている間にサンピラーとハロ現象が同時に起きる、奇跡的なシーンと立ち会えた幸運に感激!

【問い合わせ先】
VisitInari.Fi(ビジットイナリ・エフ・アイ)

所在地 Inarintie 38, 99870 Inari
電話番号 +358-401-796-069
URL http://visitinari.fi/

2015.06.02(火)
文・撮影=古関千恵子