どこで? どうやって? どんなふうに見る?

フィンランド語で“火のキツネ”という意味のあるオーロラ。キツネのように軽やかに形を変えて夜空を舞う。(C)Visit Finland-Markku Inkilä

 オーロラはフィンランド語で“レヴォントレトゥ(火のキツネ)”。言い伝えによると、オーロラは北極圏の雪原をゆくキツネの尾ではたいた雪が、舞い上がって無数の火花になったものだという。

 科学的には、太陽からやってくるプラズマ(電気を帯びた粒子)が、地球の極地の磁場をもった大気圏内に入り、酸素や窒素とぶつかる。その衝突時のエネルギーが光となったものだ。

衝突する気体の種類と高さによって色が変わる。グリーンやブルーは上空100キロ、赤は空気の薄い250キロで生じる。(C)Visit Finland-Jorma Luhtaø Leuku

 プラズマがどの気体に衝突するかで、色が変わる。最もポピュラーなグリーンは酸素原子、ブルーは窒素分子と、上空100キロでぶつかった時に生じる。また酸素原子はより高い上空250キロ以上では赤色となる。高さによっても、色は変わるのだ。

 オーロラにはいくつかの種類があり、代表的なものは次の3つ。ドレープのようになったカーテン型、一点から放射状に光を発するコロナ型、そして大きな波のうねりのように動く大波型。また、一生に一度でいいから見てみたいのが、オーロラブレイクアップ(オーロラ爆発)! 天空の一点から光が噴出し、一気に全天でいろんな色、いろんな形のオーロラが動き出す(らしい)。

音はしないけれど、動くオーロラを前にすると、頭の中で音楽が奏でられるよう。(C)Visit Finland-Antti Pietikäinen

 オーロラを観測しやすいのは、北極と南極の周囲を取り巻く“オーロラベルト”と呼ばれるエリア。地球の磁場を示す“地磁気緯度”の数値が65~70度の地域を指し、ラップランドはちょうどすっぽり収まっている。このオーロラベルトの下では統計的には年間200日以上も見られることになるそうだ。

 オーロラが見られる時間は、夜12時を中心に前後2~3時間がピーク。夕方早いうちからも見られる。とはいえ、いつ起こるかはわからないので、夜空はこまめにチェックしたい。

2015.05.15(金)
文・撮影=古関千恵子