舞踊を鑑賞しながら、伝統的なタイ料理に舌鼓
川を渡った本館の対岸に位置する、伝統的なタイ料理のシグネチャー・レストラン「サラ リム ナーム」。タイ北部の建築様式を踏襲した宮殿のようなパビリオンにあり、ボートで渡ることも、スペシャル感のある演出に。
タイ料理というとスパイシーなイメージがあるが、まろやかなココナッツクリームと数種類の香辛料を駆使することで、辛さの中にも深い味わいが。ランチはビュッフェ、ディナーはコースメニュー。ディナーは美しく盛り付けられた料理が運ばれるごとに、思わず見入ってしまうほど。
食事をいただきながら鑑賞する伝統舞踊も、お楽しみ。金糸銀糸の華やかな衣装の王女の舞いや古式ボクシングやドラム・ダンスなど、多彩な演目が繰り広げられる。演者の反りかえした指先や、爪先まで神経が行き届いた舞いに、目を奪われること必至。イラスト付きの舞踊の説明書も、食事の思い出になるだろう。
シーフードを中心に、タイ料理や和食、インターナショナル料理などバラエティ豊かな料理をサーブする「ロードジム」。いくつものステーションに分かれたランチビュッフェの人気が高く、週末は予約しないと入れないほど。サラダバーや生ハムにカプレーゼ、テリーヌに蒸しエビなどの前菜コーナー、職人の手技も見られる寿司スタンド、オープンキッチンのグリル料理に、その場で揚げる天ぷら、そして約50種ものデザートなど、皿を手に見て回るだけでわくわくしてくる。
おすすめは、バンコクのビュッフェではここだけの、分厚くカットしたフォアグラのソテー。添えられたマンゴーの酸味と濃厚なフォアグラが絶妙なバランスだ。寿司と刺身の評判も高い。
ディナーはシーフードのアラカルトとコースメニュー。その日獲れた魚介や店内の生簀から直行した、新鮮なシーフードがいただける。
「ロードジム」はチャオプラヤ川が間近に迫るリバービュー。ちなみに店名はジョセフ・コンラッドの作品に登場する船員にちなんだものだ。
2015.01.12(月)
文・撮影=古関千恵子