人々が神仏に祈り、屋台で舌鼓を打つその頭上では、高架鉄道や空中道路が超高層ビルを縦横に結ぶ。これだけ鮮やかなコントラストを描く都市は、他にない。現在の世界で最もエキサイティングな街、バンコクを徹底的に楽しみ尽くそう。

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洗練を極めたエレガンスが都市の喧騒を忘れさせる
ザ・スコータイ バンコク

ザ・スコータイ バンコクでは世界遺産であるスコータイ遺跡をモチーフとした仏塔や仏像が館内を厳かに彩っている

 市民の憩いの場、ルンピニー公園から西南へと下るサトーン通りには、各国の大使館や国際的な金融企業が集まる。外交官やビジネスエリートが闊歩するこの通りから少し奥まったところに、ザ・スコータイ バンコクはたたずんでいる。

 高層ビルが立ち並ぶ界隈にあっては、ゆったりとしたレイアウトの低層ホテルの存在そのものが貴重。あたりを包む心地よい静寂は、ここがバンコクの都心であることをしばし忘れさせるだろう。

 館内のさまざまなデザインは、13世紀半ばからタイに覇を唱えたスコータイ王朝の美術からインスピレーションを得ている。

左:このホテルのホスピタリティに触れれば、誰もが仏像のような柔和な表情になるはず
右:スコータイ遺跡に残るレリーフのレプリカが飾られた客室
このガーデンコートヤードでウエディングを行うことは、バンコクの人々にとってステイタスの証明だという

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photographs:Atsushi Hashimoto
realization & text:CREA Traveller & Satsuki Osawa
coordination:Toshiko Nishida