Magnificent View #408
ハワー・マハル(インド)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 953もの小窓が並ぶ左右対称のピンクの建物は、見る者の想像力をかき立てずにはおかない。世にもまれなユニークな外観の宮殿があるのは、インド北部のラージャスターン州の州都、ジャイプール。この都市は10キロにもおよぶ桃色の城壁に囲まれているため、「ピンク・シティ」という異名も持つ。

 この地を支配していたマハラジャの手によって、この建物が完成したのは1799年のこと。通りに面したこの小窓は、ここに住む高貴な女性たちのために設けられたもので、外側から顔を見られることなく、街の様子を眺められる仕組みになっているのだという。

 ハワー・マハルとは、「風の宮殿」という意味。この小窓を通して風が循環するため、暑い盛りでも建物の内部は涼しく保たれることから命名された。

Column

今日の絶景

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2014.11.12(水)
文=芹澤和美