Magnificent View #409
ラッフルズ シンガポール(シンガポール)
シンガポールの象徴といえば、ここ。白亜のコロニアル建築が、亜熱帯気候のこの街で、涼しげな姿を見せている。
イギリス植民地時代の1887年、アルメニア人のサーキーズ兄弟によって開業したこのホテルには、長い歴史が刻まれている。1899年、現在の原型となるコロニアル様式の建物が完成した当時は、「スエズ以東でもっともすばらしい施設」とヨーロッパ諸国が大絶賛。第二次世界大戦の日本占領時代は将校たちの宿泊施設となり、美しいボールルームで披露されるステージはもっぱら民謡と軍歌、という時代もあった。
1946年、ホテルとして再オープンし、1991年に大改装。現在は、古き時代の雰囲気を漂わせつつも、設備や機能は近代的なホテルに。バーで元祖シンガポールスリングを飲み、スイートルームでくつろぐのは、シンガポールを訪れるツーリストの憧れでもある。
Column
今日の絶景
この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!
2014.11.13(木)
文=芹澤和美