Magnificent View #404
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(インド)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ヴィクトリア・ゴシック建築とインドの伝統的建築が融合する壮麗な外観は、駅舎というよりも宮殿のよう。

 ムンバイの玄関口として知られるこの駅舎が完成したのは、イギリス統治時代の1888年。駅舎と当時の鉄道会社(大インド半島鉄道会社)の社屋を連結させた建築物として、誕生した。

 駅の旧名は、「ヴィクトリア・ターミナル駅」。近年、インド内で高まりつつあるヒンドゥー・ナショナリズム(イギリス植民地時代に付けられた地名を、インド由来のものに直すという運動)の風潮により、1996年、現在の名称に改名された。

 新しい駅名の由来となったのは、ムガル帝国やイギリスの侵入に対し勇敢に戦った17世紀の王、チャトラパティ・シヴァージー。植民地時代の象徴だった豪華な建物はいま、インドの英雄の名を名乗り、現役で機能している。

Column

今日の絶景

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2014.11.08(土)
文=芹澤和美