Magnificent View #398
ボスポラス海峡(トルコ)

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 アジア大陸とヨーロッパ大陸にまたがるトルコ最大の都市、イスタンブール。両大陸を隔てているのが、ボスポラス海峡だ。海峡の長さは南北約30キロ、東西は最も狭いところで700メートル、最長で3420メートルとなっている。

 海峡には2つの大きな自動車専用橋が架けられているほか、両岸の各所にはアジア側とヨーロッパ側をつなぐ定期船の発着所もあり、頻繁に船が往来する。ビジネスや観光の中心地はヨーロッパ側、住宅の多くはアジア側にあるイスタンブールでは、定期船が市民の足となっているのだ。

 両大陸を結ぶ新たな交通として、2013年10月29日(トルコ共和国建国90周年の記念日)に誕生したのが、ボスポラス海峡の海底トンネルを通る地下鉄。オスマン帝国時代の1860年代に設計図が描かれて以降、計画が何度も浮上しては頓挫し、「トルコ150年の夢」とも呼ばれたその鉄道は現在、アジアとヨーロッパをわずか4分で結んでいる。将来は、既存の国鉄線などを改装して連結し、76キロを走る長距離交通機関になる予定だという。

Column

今日の絶景

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2014.11.02(日)
文=芹澤和美