私自身がエンジェルとなって、お菓子を通してしあわせを届けたい

――フォンテーヌブローの本店へ伺ったとき、ご近所に住んでいるというおしゃれなマダムが、シェフと楽しそうにおしゃべりされている姿が印象的でした。

 私の父は精肉店を営んでいたので、お客さまと会話をするのは日常的なことだったんです。その精神がお店にも引き継がれているのだと思います。

――ここ「フレデリック・カッセル 経堂アトリエ店」は、フォンテーヌブローの本店に似た雰囲気があるように思います。

 私もそう感じるんですよ。都心に近い小さな街で、住宅が多く、多くの家族が暮らしています。大都会の真ん中ではありませんね。

 このアトリエ店の前の通りは「城山通り」というのだと聞いて、はっとしました。フォンテーヌブローにも、お城と山、森があります。ここはフレデリック・カッセルのための場所かもしれない? と。縁を感じています。

――フォンテーヌブローのお店には、パリからのお客さまも多いですか?

 多いですよ。特に週末は。フォンテーヌブローはパリから電車で40分ほどで、運賃は片道2ユーロ。静かで空気がよくて、ナチュラルで良いマルシェもあって、地産地消のおいしいものも多い。最近は、フォンテーヌブローに引っ越したいという人も増えています。

――フレデリック・カッセルのシンボルマークは「エンジェル」ですが、ご自身でデザインされたとか?

 はい、そうなんです。私とエレーヌの結婚式のとき、招待客に向けたメニューに、私が鉛筆で描いたデッサンがこのエンジェルです。いまでは、ブランドのシンボルマークです。

――素敵なエピソードですね! どんな意味や想いを込めて、ブランドのマークに?

 私がエンジェルなんですよ(笑)。ほら、エンジェルがお菓子を掲げているでしょう? これは、私自身がエンジェルとなって、エレーヌだけでなく、お菓子を通してもっと多くの人にしあわせを届けたい、そんな思いを込めているのです。

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