ボタニカルの特徴を最大限引き出す、ひと手間かけた工程
京都市内の蒸溜所から亀岡市内の新京都蒸溜所にバトンタッチされた「季の美 京都ドライジン」の製造。実は一般的なジンとは異なる工程によって造られています。
基本的にジンはベーススピリッツと、香りづけや個性を生み出すために加えるボタニカル、例えば、ジュニパーベリーや柚子、山椒などすべての材料をひとつのポットスチルに入れて蒸溜。その後、加水などを行って製品化という流れで造られます。しかし、季の美の製造工程はそれとは少し異なります。
抽出は全抽出量を100としたら、その中のベストな70を採用するような作業です。良い状態の液体が蒸溜の最初のほうに出てくるのか、中間なのか、最後のほうなのかは、ボタニカルによって異なるため、すべてのボタニカルを一緒に蒸溜すると、ベストな状態を引き出せたものもあれば、そうでないものも採用してしまうことに。
そのため季の美では、各ボタニカルのポテンシャルを最大限引き出すために、柚子とレモンや、山椒と木の芽など11種類のボタニカルを6つのエレメント(礎・柑・凛・辛・茶・芳)に分けて、別々に蒸溜を行っています。似たもの同士を一緒に蒸留することで、すべてのボタニカルを最も良い状態で抽出することが可能に。ベストな液体のみを自分たちが納得する割合でブレンドしているのです。
また、ジンに使うボタニカルは一般的に乾燥した状態で使うことがほとんどですが、季の美では多くのボタニカルを旬の素材のまま冷凍し、それを用いて蒸溜しています。
蒸溜工程ではいかに上質な素材を使用するのかがおいしいジンを造る最大のポイント。そこに対してできる限りのことを行っているのが「季の美 京都ドライジン」なのです。
ブレンド水は京都蒸溜所の時代から、京都市伏見区にある清酒「月の桂」製造蔵元の増田德兵衛商店の仕込み水を使用しています。
亀岡市の新蒸溜所でもそれを踏襲し、増田德兵衛商店からトラックで運んだ仕込み水を使用。クリーンでマイルドな天然の軟水を、脱ミネラル処理を行うことなく、濾過後にそのままブレンドしています。このこだわりが「季の美 京都ドライジン」の高評価につながっているのです。
新たな拠点が稼働し、生産量がパワーアップ。これからどんな展開が待っているのでしょうか? 国内外で注目を集める「季の美 京都ドライジン」の今後が楽しみです。










