本書の著者は、累計1100万部のベストセラーを生み出してきた元編集者の作家兼プロデューサーだ。仕事柄、いわゆる成功者と多く会う中で、彼らの共通点はたくさんの本を読んでいることだと気づき、読書が人生を攻略する鍵になると考えるようになった。また、動画やSNSが全盛の時代においても、本はタイパ・コスパの面でも圧倒的に優れているのだともいう。
2018年刊行の『モテる読書術』を大幅に加筆・再編集した本書。本の読み方や読書の習慣化に加え、本の選び方も紹介、口コミで評判を呼んでいる。
「コロナ前に刊行し、売り伸ばせずにいた『移動力』という同じ著者の本を、移動へのモチベーションが高まってきた昨年『移動する人はうまくいく』と改題し新装版で刊行したところ、20万部のヒットになりました。情報が要となるこれからの時代、移動と同様に読書で言葉と知識を蓄えることも大事だと考え、両輪となるよう本書もリニューアルしました」(担当編集者の上江洲安成さん)
その読みが当たり、2冊並べて販売する書店が多く、初速から手応えがあった。『モテる』とつくタイトルに象徴されるように、従来版では読書によっていかに多くのものを手に入れるかといった視点が中心だったが、新装版では読書を通じて人生が豊かになるという方向で加筆・修正。これが功を奏し、女性読者を多く得られたという。
「本書には『自分は本を読む人だとキャラクター設定することで、本を読まない人も読めるようになる』というくだりがあります。そういう精神的な話も新鮮だったようで、読者からの反響も大きかった部分です。『初めて本を完読できました』という声も届いていて、何かを学びたいと考える人の入門書のような一冊になっているのを実感しています」(上江洲さん)
巻末には、101冊のおすすめ本リストも掲載した。ビジネス書や自己啓発書のみならず、小説やノンフィクション、哲学書、歴史書など、幅広いジャンルから選書している。
移動と読書は親和性が高いとの考えから、表紙には新幹線と本のイラストを掲載、販促物にも飛行機などのアイコンを入れた。その甲斐もあって、駅や羽田空港などの書店でもよく売れているそうだ。

本を読む人はうまくいく
定価 1,650円(税込)
すばる舎
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