3_「菓菓かはん」で出会う 和洋折衷の美しいお菓子

 大阪・中之島の静かな街角に佇む「菓菓かはん」。四つ橋線の肥後橋駅から徒歩約1分、ビルの地下1階にひっそりと構えるこのお店は、和の素材と洋の技法を融合させた独創的なお菓子を提供しています。

 店内に足を踏み入れると、シンプルで洗練された空間が広がり、心が落ち着きます。木の温もりと白を基調とした内装が、まるで美術館のような雰囲気を醸し出しています。

和菓子のような洋菓子、洋菓子のような和菓子

今回、「菓菓かはん」を訪ねて3種類のお菓子をいただきました。定番人気のものから季節の味を堪能できるものまで、どれも美しく唯一無二の味わい。

和の素材と洋の技法の絶妙なバランス「嘉ぎ」

 まず手に取ったのは、「嘉ぎ(かぎ)」という名のフロランタン。きな粉、抹茶、醤油、酒粕、焙じ茶、生姜など、和の素材をふんだんに使用し、アーモンドやカシューナッツをキャラメリゼして焼き上げた一品です。パッケージを開けると、香ばしい香りが広がり、食欲をそそります。

 頬張ると、バターの風味豊かなクッキー生地と、和素材の上品な甘みが絶妙に絡み合います。きな粉の優しい甘さ、抹茶のほろ苦さ、醤油の深い味わいが、ナッツのカリッとした食感と相まって、まるで和と洋が一体となった芸術作品のようです。

 食べ進めるうちに、どのフレーバーもそれぞれの個性を放ちながらも、全体として調和の取れた味わいを楽しむことができます。

和三盆糖の上品な甘み「十六夜のすゞ」

 次に試したのは、「十六夜のすゞ(いざよいのすず)」。和三盆糖を使用した干菓子で、季節ごとに味わいが変わります。秋季はカシスやさつまいもを使用。素材の風味がアクセントとなっています。小さな鈴形に仕立てられたその姿は、まるで宝石のように美しく、見た目からして心を奪われます。

 口に含むと、和三盆糖の優しい甘みが広がり、カシスの酸味とさつまいもの甘みが絶妙に調和しています。さらりとした口溶けとともに、素材の持ち味が引き立ち、まるで日本の四季を感じるかのような繊細な味わいが広がります。冬季はカカオと苺の「十六夜のすゞ」が登場するのだとか。

寒天ゼリーの瑞々しさと果実の甘み「円雨」

「円雨(つぶらう)」は、寒天ゼリーに国産のドライフルーツをインした一品です。見た目はまるで雨粒が果実を包み込んだようで、その美しさに思わず息を呑みます。柚子や無花果など、季節ごとに異なるフレーバーが楽しめるのも魅力のひとつです。

 一口食べると、寒天の瑞々しさと果実の自然な甘みが口いっぱいに広がり、まるで初夏の爽やかな風を感じるかのよう。見た目の美しさだけでなく、味わいも繊細で上品であり、贈り物としても喜ばれること間違いなしです。

落ち着いた雰囲気の店内からはおもてなしの心を感じる

 店内は木を基調とした落ち着いた空間。スタッフの方にお菓子の製作過程や使用している素材について尋ねると、丁寧に教えていただけます。「お客様に喜んでいただけるよう、ひとつひとつ心を込めてお包みしています」という店員さんの言葉からは一期一会のおもてなしの心が感じられます。

 和と洋が見事に融合した独創的なお菓子を提供するお店「菓菓かはん」。素材の持ち味を最大限に引き出し、見た目にも美しいスイーツは、贈り物としても自分へのご褒美としても最適です。

 大阪を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。心温まるひとときを過ごすことができることでしょう。

菓菓かはん

住所:大阪府大阪市北区中之島2丁目3-18 中之島フェスティバルタワー B1F
営業時間:11:00-19:00
定休日:フェスティバルプラザ休館日に準ずる
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