2025年9月17日に行われた、「SIXPAD for Women」ローンチイベントには、アンバサダーを務めるRIKACOさん、元競泳日本代表でオリンピックに2度の出場経験を持ち、アスリートの生理について発信している伊藤華英さん、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんが登壇。「女性活躍の視点から見たフェムケア/フェムテックへの期待」をテーマにディスカッションが行われた。

セルフケアで自分を大切にすることが、セルフラブの出発点(RIKACOさん)

 YouTubeチャンネル「RIKACO LIFE」で10年にわたって苦しんだ更年期について発信し、多くの女性の共感を得ているRIKACOさん。フェムケアにおいて大事にしているのは、セルフケアの大切さだという。

「私たちミドル世代は、生理や性について話すことに抵抗がある人が多いですよね。私もそうでした。でも、息子に強く勧められてYouTubeチャンネルを開設し、更年期について発信をしたところ共感の声がたくさん届き、自分の悩みや辛さは隠さずにシェアすることが大切だと気付かされました。

 SIXPAD for Womenをはじめ、今は大企業が私たち女性に向けてフェムケアのアイテムを生み出してくれていますよね。そんな時代だからこそ、セルフケアは恥ずかしいことではない、堂々とやっていこうということを伝えたいです。

 セルフケアを面倒くさく思うかもしれないけれど、セルフケアをしないと余計にお金がかかっちゃうこともあるじゃないですか。3年後にはこうなりたいという姿を思い描きながら、毎日1分ずつ取り組めば1年後にはその効果は出ているはず。だから、自分はどうなりたいの? っていうところからセルフケアが始まり、その積み重ねがありのままの自分を好きでいられるセルフラブに繋がると思っています。

 植物と同じように自分で自分にお水をあげて自分を育てる。そうやって自分を認めて大事にすることが、セルフラブの根底にはあると思います」(RIKACOさん)

現役時代は、生理のせいでパフォーマンスが落ちていると言えなかった(伊藤華英さん)

 元競泳選手の伊藤華英さんは、生理×スポーツの教育・情報発信活動「1252プロジェクト」(年間52週のうち生理期間が約12週を占めることからネーミング)を発足させた中心人物でもある。

「私がオリンピックに出場したのは2008年と2012年ですが、当時、国立スポーツ科学センターに産婦人科医はいなかったように記憶しています。私の現役時代は、生理のせいでパフォーマンスが落ちているとか練習がきついということは言えませんでした。

 でも、2016年のリオ五輪で中国の競泳選手が生理で思うようなレースができなかったと発言し、そこで初めて『あ、生理のことを言ってもいいんだ』と目から鱗が落ちて。最初は、私の生理事情なんて誰も知りたくないだろうと思いつつ執筆をしたらすごく反響があって、私一人の力ではなく、たくさんの人の力を借りながらですが生理についての発信を始めました。

 スポーツ界は8割が男性指導者なので、10代を中心とした若い女性アスリートだけを対象とするのではなく、男性にも理解していただけるような取り組みを行なっています」(伊藤さん)

2025.10.10(金)
文=今富夕起
撮影=釜谷洋史