この記事の連載
小芝風花さんインタビュー【前篇】
小芝風花さんインタビュー【後篇】
もう一度人生をやり直せるなら『英語をもっと頑張りたい(笑)』

――この作品は主人公がタイムリープして人生を生き直すという設定自体がとても面白いですが、そこに関してはいかがですか?
私が演じている『神戸美紗』という女性は今まで自分が受けていた理不尽なこともすべて受け入れて「いい人生だった」と思い込もうとしていたわけですが、結局最悪な終わり方を迎えてしまいます。でも、そこで第二のチャンスをもらえるというのが、やはり物語としてすごく面白いです。
でも私だったら、絶対に復讐を考えたりはせずに、そういった人間関係から離れてしまうと思います。
――それはどうしてでしょうか?
自分をずっと見下してきた人によって最終的に死に至らしめられるわけで、復讐のためとはいえ、その相手と仲のいいフリをしたり、近くにいたりするのは個人的にも苦しいと思いますし、演じていても実際に「しんどいな」と感じることが多かったんです。だから、自分だったらちょっと逃げたくなっちゃう(笑)。
その中で自分を取り戻すために覚悟を決めて戦う美紗の姿はカッコいいなぁとも思いました。嫌だった過去がフラッシュバックもするだろうし、復讐が上手くいくとも限らない。復讐が成功するためには、そのために身代わりになってしまう事件も起こるわけで……。
もともと優しい性格の美紗にはすごく葛藤もあるでしょうし、上手くいく保証も確証もない中で進んでいくのは、気持ちが本当に強くないとできないことなので……。復讐を選ぶというのは“茨の道”だと思いました。
――1回目の人生のシーン、生まれ変わった2回目の人生のシーン、それぞれを撮影するのは面白かったですか?
怒りの感情って、他のいろいろな感情と比べて強いですよね。最初の人生での夫の平野友也も親友の江坂麗奈も本当にひどかったので(笑)、1回目のシーンを撮影していると「もう、復讐されて当然!」と思うんですけど、2回目の人生ではちょっと不憫に感じるところもあって……。
もちろん、クズ男なんですけどね(笑)。でももし1回目の人生から自分の意思を強く出せていたら、友也君もあんなふうにはなってなかったかもしれないですし、麗奈との関係も変わってきたんじゃないかなと思います。そんなことを考えながら撮影を行っていました。
あと、自分の感情を押し殺さないと一緒にいられない人といるのはダメなんだということを学ばせていただきました(笑)。
――もし、美紗のようにもう一度人生をやり直すことができたら、「こうしたい!」というのはありますか?
今のお仕事がとても好きなので、何かを変えたいという気持ちはないです。ただ、幼稚園ぐらいから英語を習いたかったというのはあります(笑)。本当に苦手で、超カタカナ英語なんです……。
今回こうやって、韓国の方とお仕事をさせていただくチャンスに恵まれましたが、共通言語はやはり英語なんですよね。だから、英語ができていたらもう少しコミュニケーションを図れたのにと思いました。耳でちゃんと集中できる年齢からやっておけばよかったなと思うので、もし戻れるなら英語をしっかりやりたい! 今からでもできますかね?(笑)頑張ります!
》【後篇】「台本を読んでいるだけで何回も泣いてしまった」小芝風花が『べらぼう』瀬川役で学んだ“愛のカタチ”
小芝風花(こしば・ふうか)
1997年4月16日生まれ、大阪府出身。2012年ドラマ『息もできない夏』(フジテレビ系)で女優デビュー。2014年には映画『魔女の宅急便』で主演・キキ役に抜擢され、注目を集める。以降も、NHK連続テレビ小説『あさが来た』や『美食探偵 明智五郎』、『彼女はキレイだった』、『妖怪シェアハウス』シリーズなど話題作に次々と出演。2025年にはNHKドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』での熱演が高い評価を受け、若手女優の中でも頭一つ抜けた存在に。Amazon Originalドラマ『私の夫と結婚して』では複雑な感情を演じきる演技力が話題となっている。
Amazon Originalドラマ
『私の夫と結婚して』配信中

脚本 大島里美
監督 アン・ギルホ
出演:
小芝風花
佐藤健
横山裕
白石聖
田畑智子
黒崎レイナ
七五三掛龍也
津田寛治
ノースリーブトップス 23,100円、ハイネックインナー 14,300円、スカート 24,200円/PRANK PROJECT(PRANK PROJECT AOYAMA 03-6455-4550) イヤーカフ 各25,300円、バングル 75,900円、ゴールドリング 112,200円、シルバーリング 41,800円/e.m.(e.m. 青山店 03-6712-6797)シューズ 24,200円/ALM.(https://almofficial.com/)

2025.07.19(土)
文=前田美保
撮影=榎本麻美
ヘアメイク=青山佑綺子(BOND)
スタイリスト=小川未久