お待たせしました! あの自称サバサバ女、網浜奈美(丸山礼)がパワーアップして帰ってきた! ドラマ『ワタシってサバサバしてるから2』が、再び私たちを爆笑と共感(?)の渦に巻き込んでいます。

網浜奈美は「令和のドジっ子ヒロイン」だ

 最近のドラマを見ていると、主人公の女性たちは揃いも揃って優秀ですよね。バリバリ仕事をこなし、困難にも果敢に立ち向かう。その姿は頼もしく、私たちに勇気を与えてくれます。もちろん、それは素晴らしいことですし、現実に目を向けても、実力と行動力を兼ね備えた女性は数多く活躍しています。

 しかし、ふと気づくと、かつてドラマでよく見かけた「ドジっ子」なヒロインたちの姿をあまり見かけなくなったように思いませんか? ちょっとおっちょこちょいで、どこか抜けていて、でもなぜか憎めない。そんな愛すべきキャラクターたちです。彼女たちがドジを踏んだ結果、周囲の人間関係が深まったり、思わぬ展開が生まれたりしたものでした。

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 そんな中、異彩を放つヒロインが私たちの前に現れました。そう、ドラマ『ワタサバ』の主人公、網浜奈美です! 彼女を単なる「サバサバ系女子」と片付けてしまうのは早計かもしれません。なぜなら彼女こそが「令和のドジっ子ヒロイン」と呼ぶにふさわしい存在だからです!

 従来のドジっ子ヒロインは、そのドジっぷりが可愛らしさや健気さにつながり、男性キャラクターからの庇護欲を掻き立てる役割を担うことも多かったように思います。「俺がいないとダメなんだから」と、手を差し伸べたくなるような存在は、一つのヒロイン像として確立されていました。しかし、網浜奈美は違います。

 彼女は「ドジ」ばかりしでかすのに、むしろ自分はデキる人間だと信じて疑わず、その自信が空回りしてさらにとんでもないミスを連発するのです。資料作成を頼まれれば、斬新すぎて役に立たないものを生み出し、電話応対では相手を困惑させる独特の言い回しを炸裂させる。そう、彼女の最大の魅力(そして弱点)は、驚くほど仕事ができないこと! でもどこか憎めないのです。

 その言動は時に周囲を唖然とさせ、時には痛快さすら感じさせます。仕事はできないけれど、決して卑屈にならない。その姿は、ある意味で現代社会における新しい強さの形を示しているのかもしれません。

2025.05.26(月)
文=綿貫大介
写真=NHK