英国といえばパブ文化。旅人も、地元民に交じって「ビールを一杯」だけではもったいない。いまやロンドンのパブは気鋭のシェフが腕を振るう、グルメスポットなのだから。
炎で旬をデザインするとびきり柔軟な発想力
◆The Parakeet(ザ・パラキート)


国内シェフ全体のスキルがぐんぐんと向上していく中で、直火の使い手たちが今もてはやされている。薪オーブンや炭火を使いこなす達人の中でも、北ロンドンに2023年春に登場した「パラキート」のヘッドシェフ、ベン・アレン氏はもはや巨匠の域。
![完璧な火通しの“シーブリームの炭火焼き”£58。[左]にはバスクのパプリカ料理、ピペラード[右]が添えられる。相性抜群。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/3/1280wm/img_934ea67ad619974cf5f22cfedc44f634115713.jpg)


そのキッチンにガス調理器はない。炎と熱を使って調理し、スモークで繊細な香り付けをする。このスタイルはバスク、そしてヨーロッパ各地の調理法に根ざしたものだが、実際はシェフが世界各国のキュイジーヌに触発された創作旬菜であり、味は掛け値なしの美味しさ。

とにかく素材と調理法の組み合わせが秀逸なのだ。「毎日届く食材にワクワクする」と、顔をほころばせるアレン氏。

心ある生産者から旬の食材を仕入れることに尽力しているのだとか。ロンドン中のグルメたちが目指す、今最も勢いのあるガストロパブだ。

The Parakeet(ザ・パラキート)
所在地 256 Kentish Town Rd., London NW5 2AA
電話番号 020 4599 6302
営業時間 月~木曜18:00~22:00、金曜12:00~14:00、18:00~22:00、土曜12:00~14:30、18:00~22:00、日曜12:00~19:00(パブは毎日12:00~)
定休日 無休
https://theparakeetpub.com/
2025.05.12(月)
文=江國まゆ
写真=志水 隆
CREA Traveller 2025年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。