デザイナー府川俊彦氏に聞いたSUBUの魅力とは?

 冷える冬の足元を温め、極上の履き心地をもたらしてくれるSUBU。唯一無二の構造やデザインを生んだディレクター・デザイナーの府川氏に、その開発のきっかけや独自の構造、今後の展望などについて伺いました。

――SUBUを立ち上げるきっかけは?

「家でシャワーを浴びた後に友人と遊びに行こうとしたとき、ふと靴下を履いてスニーカーで行くのが面倒だなと思ったんです。裸足でスニーカーもあり得ないですし。夏に裸足でサンダルを履くように、冬でも裸足で気軽に外に出られるサンダルがあったら……。それがSUBUを作るきっかけとなりました」

――たしかに温かいのはもちろん、裸足で履きたくなるふかふかの履き心地が特徴ですが、その秘密は何ですか?

「アウトソールの中に4層のインソールを重ねた独自の構造です。ふつう、アウトソールとインソールを接着させて作りますよね。ただ、それでは求める柔らかさにはならないんです。そこでアウトソールのなかに、4つのインソールをそれぞれ接着ではなく縫製でつなぎあわせる構造を閃きました。いろんな靴工場に依頼しましたができるところが見つからず苦労しましたが、最終的に縫製工場の職人たちが協力してくれて実現しました」

――さまざまなシリーズを展開していますが、一番手応えを感じたシリーズは何ですか?

「2024年にリリースした“ハレモケモ”ですね。ブランド創設当初はどちらかというと男性ユーザーが多かったんです。鮮やかな色柄を取り入れながらベロアやモヘアといった特徴的なファブリックに挑戦したハレモケモは、ファッションのアクセントになると女性ユーザーからも高評価で、より幅広いお客様に受け入れられる契機になったと思います」

――10年目を迎えた今、これからの10年に向けて挑戦したいことがあれば教えてください。

「現在はオンラインショップかポップアップショップのみの販売となりますが、今回のようにSUBUの世界観を表現できる場として、ゆくゆくは直営店もオープンさせたいですね。あとはサンダルという形にこだわらず、たとえば車のシートやベッドなど、独自構造を活かしながら“温かくて気持ちいい”を追求していきたいと考えています」

■ポップアップイベント「HAREMOKEMO」概要

開催期間:1月11日(土)~1月19日(日)
開催場所:UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)
住所:東京都渋谷区神宮前 6-5-10
開催時間:11:00-19:00
定休日:会期中なし
入場料:無料(予約不要)
公式サイト:subu2016-specialpopup.com
※混雑緩和のため、入場を制限させていただく場合がございます

2025.01.18(土)
文=平野美紀子
写真=榎本麻美