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双子の滞在期限は2026年2月20日

 リーリーとシンシンの間には自然交配で4頭の子どもが生まれ、3頭が無事に育ちました。このうちシャンシャン(香香)は中国へ旅立ったため、上野動物園では3歳の双子のシャオシャオとレイレイが暮らしています。

 双子の滞在期限は、リーリーとシンシンの滞在期限だった2026年2月20日。東京都と中国野生動物保護協会によるパンダの保護研究の協力協定の期限です。

 シャオシャオとレイレイはきょうだい(どちらが先に生まれたかは不明)なので、繁殖できませんが、保護研究は繁殖に限りません。冨田副園長は「希少動物の象徴でもあるパンダを守ることの大切さを人々に伝え、行動につなげていく。この普及啓発が非常に大きな保護活動の一つだと考えています」と話しました。リーリーとシンシンは上野動物園からいなくなりましたが、2頭が残してくれたシャオシャオとレイレイの観覧などを通じて、引き続き、パンダの保全の大切さを伝え続けていく考えです。

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中川 美帆 (なかがわ みほ)

パンダジャーナリスト。早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(12カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著に『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)がある。
@nakagawamihoo

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2024.10.06(日)
文=中川美帆