◆一ノ倉邸

 「一ノ倉邸」は、明治後期の盛岡市出身の政治家・阿部浩によって造られた邸宅と庭園。後に一ノ倉氏に譲渡され、さらに市民からの保存要望によって盛岡市が取得し、現在は一般公開されている。

 約2,600坪の敷地に約145坪の建物があり、庭園は東京から庭師を招いて造ったといわれる回遊式庭園だ。秋には京都の高雄から取り寄せた12種類のイロハモミジが赤、橙、黄色に染まり、錦に彩られる。

 紅葉の景色は邸内から窓越しに眺められ、庭に設置されたベンチに座ってゆったりと楽しむこともできる。

見ごろの時期:11月中旬

一ノ倉邸(いちのくらてい)

所在地 岩手県盛岡市安倍館町19-64
https://ichinokuratei.studio.site/

◆厳美渓

 「厳美渓」は、栗駒山の噴火によって堆積した溶結凝灰岩が、磐井川に浸食されてできた渓谷。約2キロメートルにわたり、甌穴、奇岩、巨岩、深淵、滝などが続いており、渓谷沿いの公園や遊歩道からその造形美を堪能できる。

 四季折々の景観はすばらしく、秋の紅葉も見ごたえ抜群。色鮮やかなモミジが渓谷を包み、エメラルドグリーンの渓流との美しいコントラストを見せてくれる。

 厳美渓といったら、名物の「空飛ぶ、郭公(かっこう)だんご」。創業明治40年の郭公屋の反対側にある東屋の木片を木槌でこんこんと叩き、かごに人数分のお金を入れると、郭公屋にスルスルと登っていく。すると、かごの中にお茶とお団子のセット(お釣り)が入って戻ってくる。美しい渓谷に腰を下ろして、お団子とお茶で一息ついてみてはいかが。(2024年の営業は、3/15~11/30)

見ごろの時期:10月下旬~11月上旬

厳美渓(げんびけい)

所在地 岩手県一関市厳美町字滝の上地内
https://www.ichitabi.jp/

2024.09.21(土)
文=CREA編集部