台湾東部・花蓮で発生した地震の被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
CREA編集部では、台湾観光庁の声明や、現地コーディネーターからお話をうかがい、台湾を応援する気持ちを込めて、完売したCREA春号をハンディサイズにムック化した、CREA Due『愛しの台湾』を刊行します。その一部を抜粋し、掲載します。
CREA編集部一同、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
CREA Due
『愛しの台湾』
定価1,430円
18年という年月を超えたラブストーリーで主役のジミー役を演じたのは、台湾のみならずアジア各国で注目を集めるシュー・グァンハン。撮影を通してどんなことを感じたのだろうか。
日本語のセリフは完璧に喋りたいという一心で猛特訓
──『青春18×2 君へと続く道』に出演を決められた理由を教えて下さい。
この作品は台湾と日本の合作であり、ふたつの地域をまたがるプロジェクトです。そして、青春を軸にしながら、旅をすることで成長し、癒されることもテーマにしています。以前から、こういった作品に出演したいと思っていました。
それから、日本語のセリフがあることも決め手の一つでした。こうしたチャレンジを成し遂げられるのかという不安もありましたが、挑みがいがあると感じました。
──グァンハンさんの日本語のセリフは見事でした。どうやってこのクオリティまで高めていかれたのでしょう。
素晴らしい通訳の先生がいらっしゃって、その方にクランクイン前に何週間もかけてご指導いただき、繰り返し練習しました。藤井道人監督からも「日本人とほぼ同じように話してほしい。なまりがあっても構わないけれど、促音(『っ』など)もきっちり発音してほしい」とリクエストがありましたし、僕自身も完璧に喋りたいという一心で猛特訓しました。
今回共演して下さった日本の俳優の皆さんは、素晴らしい俳優ばかり。もし、僕の日本語がへたくそで、皆さんの演技に何かしらの悪影響を及ぼすことがあってはいけませんから。
──18歳と36歳の演じ分けはどのように構築していかれたのでしょう。
僕はあと数年したら36歳になるので、心境的には近いものがありますが、とはいえ未経験ではあるため「36歳になった自分はどういう人間になっているのか、36歳のジミーはどういう人間なのか、我々の間の共通点と相違点は何か」と一生懸命考えました。
一方、年をとればとるほど、実年齢は離れていきますから18歳を演じるのは、また違った難しさがあります。以前も別の作品で18歳の若者を演じたことがありますが、ジミーとは全く別のキャラクターであるため完璧に転用できるわけではありません。ただ、内面や外見も含めて、今まで演じた高校生とは違うタイプの一人の人物をお見せできるようにとは心がけて、役作りに励みました。
2024.04.23(火)
Text=SYO
Photographs=Asami Enomoto
Hair=Edmund Lin From Zoomhairstyling
Make-up=Kao Hsiu Wen/prettycool