撮影に苦労したで賞

平沼商店街 「クリーニングよしの」のマキ

 クリーニング店の看板ネコ・マキは、大の写真嫌い。カメラを向けるとすぐに顔をそむけてしまうので、「本人がよそ見をしているうちにパシャッと1枚」とチャンスを狙うものの、そこはさすが、空気を敏感に察するネコ。こちらの意図はすぐに見抜かれてしまう。お母さんに助けを求め、マキが喜ぶマッサージをしてもらい、ようやく撮れたのがこの1枚。

ぶっすー。

 心底カメラが嫌いなのがよくわかる、奇跡の1枚が撮れたのであった。
 人間と同じように、ネコもいろんなタイプがいる。看板ネコの場合、誰にでも愛嬌をふりまく人懐っこいネコもいれば、なじみのない客がくると、奥に隠れてまったく出て来なくなってしまう人見知りのネコも少なくない。犬は「マテ」や「おすわり」が出来るので撮影は比較的容易なのだが、ネコはそうもいかないので、毎回時間に余裕を持って取材・撮影に臨んだ。

» 看板ネコで“ネコミュニケーション” 横浜・平沼商店街

大変働き者で賞

阿佐ヶ谷スターロード商店街 「八百勇」のレタス

 記念すべき連載初登場の阿佐ヶ谷が誇るスターネコ、レタス。真夏だったこともあり、猛暑の日中はどこかで涼んでいた模様。張り込むこと5時間、ようやくお目にかかることができたのであった。

御大登場。

「八百勇」の店先で呼び込みをしていたかと思えば、スタスタと歩きだし、鰻の名店「阿づ満や」へ。

「いらっしゃい」

「阿づ満や」のほか、エスニック料理店やバーなど、近所のお店に顔パスで入ってゆくレタス。阿佐ヶ谷のあちらこちらで店番を務める、大変働き者の看板ネコなのであった。

(続く)

梅津有希子 (うめつ ゆきこ)
編集者・ライター。1976年北海道生まれ。ヤマハ勤務の後、FMラジオ局、編集プロダクションなどを経て、2005年に独立。女性誌や単行本、webを中心に、ペット、料理、美容など幅広いジャンルで活動中。「CREA cat」「CREA Dog」を毎号担当するほか、別冊マーガレットの『青空エール』(集英社/河原和音)の監修も務める。著書に『吾輩は看板猫である』『吾輩は看板猫である 東京下町篇』(文藝春秋)、『We are ブサかわねこ』(角川書店)、『終電ごはん』(幻冬舎)がある。
公式サイト:http://umetsuyukiko.com Twitter:@y_umetsu

Column

梅津有希子の商店街ネコ探訪

大人気のネコフォトブック『吾輩は看板猫である』、そしてその第2弾の『吾輩は看板猫である 東京下町篇』の著者、梅津有希子さんが、看板猫を探して、今度は商店街を巡ります。

2014.02.21(金)
文・撮影=梅津有希子