大前粟生さんの最新小説『チワワ・シンドローム』が、2024年1月26日(金)に発売となりました。
書籍の〝顔〟といえば、なんといっても装幀と帯です。『チワワ・シンドローム』の〝顔〟がどうやって出来上がっていったのか、担当編集・Yがご紹介します。
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装幀のはなし
宙を舞うチワワのピンバッジ、逆さに配置された女性の顔、動画の再生ボタンとシークバー、半透明のマネキン、青く光るビルの群れ……
目まぐるしいほどたくさんのオブジェクトが、絶妙なバランスでレイアウトされたド派手な装画は、気鋭の映像制作集団・釣部東京のみなさんが本書のために手掛けてくださいました。
PUNPEEや中村佳穂、長谷川白紙、モーニング娘。'23、ピーナッツくんなど、いま勢いのあるアーティストのMVやライブ用CGなどを制作してきた、まさに業界大注目のクリエイター集団です(敬称略)。
……どうですか、この次元を行き来するすさまじい映像! ほかでは見ることのできない質感とスピード感に圧倒されます。
僕が釣部東京さんのことをちゃんと認識したのは、ピーナッツくんの「Twin Turbo」という楽曲のMVでした。
こんな質感の映像が実現できるのか……と震えました。ポップかつキャッチーで、ときにキッチュなギラギラした画面に、脳汁がどんどん溢れてくるような興奮を覚えました。
「なんだこれは。誰だ、こんなものを作ってしまうのは。最高すぎるじゃないか!」
そう思ってクレジットを確認し、「釣部東京」というよくわからない文字列を発見した筆者はすかさず検索にかけ、SNSをフォローしました。
その少しあと、大前粟生さんの『チワワ・シンドローム』の書籍化が動き始めました。カバーデザインは本の第一印象を決める重要すぎる要素です。どんなデザインが『チワワ・シンドローム』にふさわしいだろう、という目線で作品を読んでいるとき、頭に釣部東京さんのグラフィックが浮かびました。
2024.03.05(火)