そこで「特色インク」の登場です。今回は、通常C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(キー・プレート≒黒)の4色のところ、Mを特色の蛍光ピンクに置き換え、さらに特色のターコイズブルーを足した5色で色を設計しました。
置き換えたことでピンクが全体的に強く出すぎてしまったり、肌の色が青みがかってしまったりしたのですが、印刷会社の方に何度も調整をしていただき、最終的には完璧にベストな発色を実現することができました。「せっかく素敵な装画なので印刷でも最大限に活かしたいです!」と言ってくださり、とてもうれしく、心強かったです。
釣部東京さん、萩原印刷さん、観野良太さん、ありがとうございます!
帯のはなし
カバーに負けず劣らず重要なのが、「帯」です。
メインコピーは作中のセリフを引用しました。どんな場面で誰が放つ言葉なのか、見つけていただけたらうれしいです。
そして今回、小説家の高瀬隼子さん、カツセマサヒコさんから推薦コメントを頂戴することができました!
お二人とも、5、6個のコメントを送ってくださり、そのどれもが魅力的で、どれかひとつを選ぶなんてできないです……という贅沢な悩みを味わいました。さまざまな角度から作品を洞察してくださったことが伝わってくるお言葉ばかりでした。
悩みに悩み、お二人とご相談の上、最終的に頂戴したコメントがこちらです!
◆高瀬隼子さん
待って、こわいこわいこわい。
現代の弱肉強食を「知らないとは言わせないぞ!」と眼前に突き付けられた気分
◆カツセマサヒコさん
みんなの心の中、そんなに照らさないでください。
ずしんと心に残る傑作です
帯では紙幅の都合上、省略させていただいた部分もありますが、メインコピーと呼応しあう、素敵なコメントを掲載することができました。
高瀬さん、カツセさん、ありがとうございます!
今回コメントをいただいたご縁をきっかけに、高瀬隼子さんと大前粟生さんの対談イベントが東京・千駄木の往来堂書店さんにて開催されました。
高瀬さんの新刊『め生える』を大前さんはどう読んだのか、逆に高瀬さんは『チワワ・シンドローム』をどう読んだのかというお話から、作家生活や友情についてのお話まで、お二人の空気感が心地好い対談になっております。
現在、アーカイブ配信が販売中ですので、ぜひご覧ください。
▶https://ohraido.theshop.jp/items/82637449
チワワ・シンドローム
定価 1,650円(税込)
文藝春秋
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2024.03.05(火)