伝統建築の茶室「思惟庵」で茶の湯体験
![四季折々の表情を見せる茶庭と、国の有形文化財にも登録された茶室「思惟庵」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/c/1280wm/img_8c044cbe41ff43538c84b6b131efa513314255.jpg)
チェックアウトの前に、ぜひ体験したいのが「茶の湯」。魯山人ゆかりの茶室「思惟庵」で抹茶とお菓子をいただきながら、茶室の室礼や茶器、お菓子、茶庭など、茶にまつわるさまざまな会話を楽しむことができます。
「思惟庵」は、もともと離れの客室として使われていた建物で、赤瓦の屋根が特徴的。茶庭は、京都・南禅寺などの作庭を担った植彌加藤造園の職人がご当地の要素を採り入れて作ったもので、小さいながらも庭園内に高低差を設け、山中の庵(茶室)へ向かう散策路をイメージしています。
![朝の光が清々しい茶室で心静かに茶の湯を体験。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/1280wm/img_f5992fa729ece91d41c25bb6c539f5b1120652.jpg)
![北陸の海を思わせる掛け軸と、今朝方、活けられたであろう椿の蕾。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/f/1280wm/img_5f6ff9e753815cc7c778daeacb4c80e5127949.jpg)
![蕾椿、山茶花、木枯し。季節を映す上菓子は、地元の老舗和菓子店「しもつね」から。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/7/1280wm/img_c7750ed71c5a5586b45cfcdf34bb598d119566.jpg)
茶室内部は、漆塗り仕上げの木部、贅沢な折り上げ天井で構成された書院風の造り。床の間には、三井物産の初代社長であり茶人としても高名な益田鈍翁による「海」の掛け軸、花は敷地内に咲く椿「西王母」。上菓子は、ごちそう続きのゲストを気遣いあえて小ぶりのものをセレクト。さり気ないもてなしの心に触れ、静謐な雰囲気のなかでいただくお茶や和菓子は、一層味わい深く感じられます。
![まずはお菓子をいただき、お腹がこなれたところでお薄を。茶は上林金沢茶舗の「等伯」。名の由来は石川県出身の絵師、長谷川等伯から。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/6/1280wm/img_e626b8de0ca71ab0d7a54616204b820b121185.jpg)
![茶碗は楽焼の脇窯として知られる大樋焼、藍九谷など、地元の窯元のものが中心。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/1280wm/img_f0341baa0409c89bdba3f5abe761a82a110024.jpg)
2023.12.29(金)
文=伊藤由起
撮影=志水 隆