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「自分自身に厳しすぎる」と気づけたのも回復につながった

 2017年3月にアイドルとして復帰したのち、その年の11月に卒業しました。そして心理カウンセラーとして仕事を始めるまで約1年、完全に仕事から離れて休めた時間が心身の回復につながりました。休み始めた瞬間から右肩上がりに回復、なんて単純な話ではなく、体調が良い日も悪い日もありました。不安定な波と付き合いながら、気づいたら眠れるようになって、だんだんと元気になっていったかな。一応、心理カウンセラー養成講座を受講し始めたり、大学に入学してみたりはしましたが、先のことを考える余力なんてしばらく湧いてこなかったです。ぼーっとする時間が長かったですが、それで正解だったようです。

 「自分自身に厳しすぎる」と気づけたのも回復につながったのではないかな。その反動で若干自分に甘々になってしまいましたけれどね……。でも、同時に他者にも優しくなれたからいいかな。

 以前の私は自分にも他者にも厳しく、遅刻とか手抜きとか絶対許せない性格でした。適応障害と診断されてからは、朝、身体が起こせなくて現場に行けない自分が情けなくて、よく泣いていました。と同時に、今まで現場をいろんな理由で遅れてくるメンバーに対して、「心の中で遅刻を責めてしまってごめんなさい。きっと各々事情があったんだよね」と反省し、人間は完璧ではないことを心から理解できるようになりました。この気づきがないまま心理カウンセラーになっていたら、少し厳しいカウンセリングをする人になっていたかもしれませんね。

2023.12.20(水)
文=中元日芽香
写真=榎本麻美
スタイリング=岡安幸代
ヘアメイク=宇藤梨沙