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注目のアーティスト津野青嵐の作品は圧巻

 続いては旧文化服装学院の建物へ。1980年代まで開校していた建物は、どこか儚さを感じてしまうほど年季が入っています。

 2階に展示されているのは、津野青嵐の「ねんねんさいさい」。吊り下げられた赤い布の中央には、ドレスのようなものが配置されています。元々精神科の看護師だった津野は、体が不自由になっていく祖母を介護する中で、「祖母の形がどんどん変化して、ベッドに溶けていくようだ」と感じたそう。もともとファッションが大好きだった祖母の体に合う服を祖母自身と考え、寝ながら着用できる洋服を作り上げたといいます。

 またその隣の部屋には、韓国のアーティスト、ユ・ソラの「日々」が。日常の中で見慣れた段ボールや机、ソファなど、全てが布と糸のみで表現されています。無機質なようでいて、どこかに温かみを感じます。

2023.12.06(水)
文・写真=岸野恵加