この記事の連載

 うつわのある暮らしには憧れるけれど、どんなふうに集めていったらいいんだろう……? うつわを手軽に、上手に暮らしに取り入れるためのヒントを求めて、達人たちを訪ねました。


◆Vol.8 お話を聞いた人 馬田草織さん

馬田草織さん

1970年、東京都生まれ。ポルトガル料理研究家。ワインを楽しみつつポルトガル料理を味わい、学べる「ポルトガル食堂」を自宅で主宰するほか、食や旅を軸とした文筆活動も行っている。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』(幻冬舎文庫)、『ムイト・ボン! ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)など。日々の食卓をアップするインスタグラムも人気を博している。
https://www.instagram.com/badasaori/


オーバルのお皿は適当に盛ってもまとまりやすい

 私はうつわの専門家ではないので、好きで使っているものに関してお話させていただきますね。まず、オーバルのお皿を使うことが多いかな。というのも、適当に盛ってもそれなりにまとまるから(笑)。オーバル皿っておさまりがいいから重宝するんです。

 大中小とサイズ違いのオーバルがあると便利ですよ。大にはメインを盛って、中にはサラダや和えもの、小にはフルーツやお菓子なんかをよくのせています。サイズは大が長径29センチ、中が24.5センチ、小が18.5センチぐらい。手前の茶色はポルトガルのクラフト雑貨を扱う「カステラノート」のオンラインサイトで買い求めたもの。うちで一番活躍してくれてるシリーズかもしれない。奥のブルーのラインのオーバルは、器インポーター「カサラゴ」の扱うポルトガルCOSTANOVAのBEJAというシリーズのものです。

 ふちどりのあるオーバルも使いやすいですね。ふちがあることで見た感じが締まります。長径が30センチぐらいある大皿で、焼きそばとかチャーハンなんかもこれに盛るといい感じになるの。あとは肉や魚のグリル、鶏もものパリパリ焼きや鰯の塩焼きなんかもいいですね。ついでに野菜も焼いたら、夕飯は大皿1枚で完結です(笑)。

よく作る料理が映えるお皿かどうかは大事

 買う前に、自分がよく作る料理が映えるお皿かどうかというのはイメージしています。私は編集者やライターとしても料理雑誌の取材を長くやってきているので、シェフやスタイリストの方々がどんな料理に対してどんなお皿を使うか、というのは現場でたくさん見てきました。スタイリスト不在の現場では、代わりに撮影用のうつわを用意することもあったり。

 特に意識してないのですが、もしかしたらそういう経験が今に活きているのかもしれません。私の盛り付けは大盛りでラフなんですが、ちょっとセンスよく見えるようなお皿を選ぶのは……うまいのかもしれない(笑)。

2023.11.18(土)
文=白央篤司
撮影=平松市聖