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ビールを冷やして飲まない台湾

 台湾ではビールをキンキンに冷やしては飲みませんし、お茶やお水に氷を入れる習慣はありません。最近は海外からの旅行者に向けて、冷えたビールが出てくることもありますが、台湾の方は暑い時こそ温かい飲み物で、身体を整えています。

 以前、生徒さんたちを連れて薬膳ツアーに行った時、現地のバスガイドさんも、バスの運転手さんも茶葉の入ったマイボトルを持っていて、中身を飲みきったら、そこにレストランや売店などでお湯を注ぎ足してもらっていました。同じ茶葉をずっと使うなんていろいろ大丈夫なのかな? と、潔癖症&心配性な私は若干、ひいて見ていましたが、「一日くらいならまったく無問題、なんなら少し発酵して、より身体にいいから」と笑顔のお返事。スゴイ! あちらの方は胃腸が強いんだなとヘンに感心したものです。

 「冷たい水は内臓を冷やしてしまい、冷えた内臓を温めようとして身体がさらに熱を生み出そうとするので、より疲れやすくなるんですよ」と言われて、納得しました。

 また、びっくりしたのが、中国を旅した時、北京の空港でのこと。空港ビルの中にお湯サーバーがあり、お湯をタダでもらえるシステムだったのは衝撃でした。ほとんどの方がマイボトルを持って並んでいました。水ならわかりますが、お湯とはさすがだと感心。

 中国人が一日中、温かいお茶を飲む理由は、以前は清潔な水がなかなか手に入らなかったという水道事情もあるそうですが、サステナビリティが声高にうたわれる昨今、私のまわりでもマイボトルを持つ人が増えてきたので、日本でもお湯サーバーが駅や空港などに設置されればいいのにと思います。

谷口ももよ(たにぐち・ももよ)

「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材を使った簡単で美味しい薬膳レシピを提案。なかでも豆腐や野菜を中心としたよりヘルシーな“ベジ薬膳”を提唱する。薬膳料理教室を主宰し、講師育成の薬膳講座を全国で展開。レストランへのレシピ提供や企業との商品開発など活動は多岐にわたる。著書も多数出版し、『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』(講談社)、『5色の野菜でからだを整えるべジ薬膳』(キラジェンヌ)で、グルマン世界料理本大賞グランプリを2度受賞。「東洋美食薬膳協会」代表理事、「全日本薬膳食医情報協会」名誉顧問、「日本豆腐マイスター協会」理事、薬膳料理教室「Salon de Maman」主宰。国際中医師。

●谷口ももよ公式サイト https://yakuzen-salon.com/
●東洋美食薬膳協会 https://orientalyakuzen.com/

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