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 フジテレビ系連続ドラマ『ばらかもん』が佳境を迎えている。

 都会育ちの書道家・半田清舟が、五島列島で島民たちと生活し関わっていく中で、書道家として、人として成長していく姿を描くハートフルな人間ドラマの『ばらかもん』。前半では、清舟が島生活に奮闘しながらなじんでいくというほっこりストーリーに引き込まれたが、後半では清舟や登場人物にスポットが当たり、より感情を揺さぶられる展開となっている。

 主人公・清舟を務めるのは、ゴールデン・プライム帯連続ドラマ初主演となった杉野遥亮さん。孤高の二世書道家が少しずつ心をほどき、自分と向き合いながら、たくましく変わっていくさまをナチュラルな演技で魅せてくれている。

 CREA WEBでは、最終回に向け撮影にいそしむ杉野さんを直撃。インタビューの後篇では、五島列島での暮らしを体験して大きくなったという田舎暮らしへの憧れや、お休みが取れたらやりたいことなど、杉野さんの“いま”を語っていただいた。

» 杉野遥亮さんインタビュー 前篇を読む


習字をすることが自分の役の向上にもつながる

――『ばらかもん』公式HP内、川藤鷹生役・中尾明慶さんとのインタビューでは、杉野さんが休憩時間にも書道を書いているとありました。清舟として書と向き合ううちに、ハマったのですか?

 特にそういうわけではないです(笑)。習字をやっていると無になれる=自分のリラックスにもつながっているから書いています。習字をすることが自分の役の向上にもつながりますし、ただ無心でやっている感じです。

――そうでしたか。清舟として五島列島で生活してみて、田舎生活への憧れや移住希望など、ふつふつと湧いたりしたんでしょうか?

 それはもうずっと前からあります! 清舟の人生はめちゃくちゃいいなという憧れも結構持っているんです。清舟は田舎に引っ越して、のんびりライフで、毎日字を書くor子供たちと遊んでいるじゃないですか…そんなのすごい楽しいじゃん!! と思ってます。人間らしい生活って、清舟のような感じじゃないのかなと考えるんです。

 今日乗っていたタクシーのドライバーさんが、「江戸時代が一番幸せな時代だった。一番愛があって、人が人のために働いているのを体現しているような時代だった」という話をされていたんです。清舟の生活は、まさに現代の江戸時代のようなものだな、と思うので羨ましいです。

――となると、杉野さん自身も田舎暮らししたいという願望が今かなり高まっていると。

 そう思います。自分の今の状況にはすごく感謝をしていますけど、この仕事はすごく刺激的なので、例えて言うなら…ずっとジェットコースターに乗っているような気分なんです。たまにはメリーゴーランドに乗りたいというか(笑)、田舎でのんびりした時間を過ごしたいなと思ったりもします。

2023.09.13(水)
文=赤山恭子
撮影=山元茂樹